1年最後の3カ月の過ごし方で人生を好転する、「オクトーバーセオリー」とは
12月、目標を習慣に変えよう
・適切性 目標が自分個人の価値観に沿っていないのなら、それを追求する価値はない。この目標は努力する価値がある、と自分を納得させるにはどうすればいいだろうか? 例えば、減量すれば自信と活力が高まり、睡眠の質が向上し、ストレスが減る。あるいは、長生きして充実した人生を送るのに役立つ。そうしたことを自分に念押しすれば、大きなモチベーションが生まれるかもしれない。 ・期限がある これは重要な点だが、目標には期限が必要だ。軽い切迫感を自分に与えながらも、燃え尽きもしないようにするには、どうしたらいいだろうか? 減量の例で考えると、大きな目標を、小さなかたまりに分割すれば(例えば1週間につき0.5kg、5カ月で合計10kg)、現実的かつ系統だったアプローチができる。 ■3. 12月:目標を習慣に変える 何かを習慣にするには21日間かかる、という話を聞いたことがある人もいるかもしれない。だが、『European Journal of Social Psychology』誌に掲載された研究によれば、必要な時間は18~254日だ。たいていの人では、平均66日ほどだという。 21日は確かに理想的に聞こえるが、現実には、必要な時間はさまざまな要因に左右される。そしてその要因は、行動や環境やモチベーションなど、人によって異なる。 だが、がっかりしてはいけない。SMART目標のすばらしいところは、私たちを「フロー状態」に導いてくれる可能性があることだ。『Occupational and Organizational Psychology』誌に掲載された2021年の研究では、フロー状態とは「適度な困難を感じ、現在の活動に集中しているときに生じる、没入した快い精神状態」と説明されている。 12月になり、一連のSMART目標が設定できたら、フロー状態の利点を生かして、毎日少しずつ、ベストを尽くして目標に取り組むようにしよう。覚えておいてほしいのは、目標達成のためのステップが、すぐには習慣にならなくても、自分を責める必要はないということだ。なんといっても、すぐ習慣になるわけではないことは研究で示されているのだから。 変化には、もっと長い時間がかかることを受け入れよう。そうすれば、変化とは、一夜にして起きる単発的な事象ではないことを、 改めて思い出す良いきっかけになる。変化とは、時間と努力を要するプロセスなのだ。 目標に向かって集中しよう。そうすれば、新年が来るころには、自分の進歩を祝福できるはずだ──周囲の人たちがようやくスタートを切るのを尻目に。
Mark Travers