「抜け目なく、切れ目なく」FW佐藤陽生2ゴールで市立柏が千葉日大一を退け、2回戦進出
10月6日、第103回全国高校サッカー選手権千葉予選の決勝トーナメント1回戦2日目が行われ、市立柏と千葉日大一が対戦した。 【フォトギャラリー】市立柏 vs千葉日大一 試合は前半9分、セットプレーから最後は市立柏FW9佐藤陽生(3年)が決め、先制。市立柏は26分、左サイドからパスを受けたFW9佐藤が再び決め、追加点。さらに35分、PA内FW9佐藤の起点から最後はMF7森下哲匠(3年)が滑り込みながら、押し込んで3点目を挙げ、試合の趨勢を握った。 まずは1点を返したい千葉日大一。前半、押し込まれていたが、後半、何度か縦への速い攻めが見られるようになった。その甲斐あってか後半15分、ペナルティエリア内で倒され、PKを獲得。これをMF7山本俊介(3年)が冷静に決めて、ようやく1点を返した。点差を詰めたい千葉日大一は交代カードを使い、選手を投入。前半に比べ、チャンスそのものは増えたものの、及ばず、試合終了。市立柏が千葉日大一に3-1で勝って2回戦に駒を進めた。 2得点のFW9佐藤は「監督から相手の背後を取るように指示がありました。相手が引いてくるのはわかったいたので守備を崩す練習はしてきました。やってきたことがでました」と胸を張った。 勝った市立柏は、ゴール前に人数をかけ守備を敷く千葉日大一から首尾よく前半だけで3得点を挙げたが、そう簡単ではないはず。なぜできたのか。 「千葉日大一さんをリスペクトするなかで相手が何をしてくるのか、この1週間、準備したことがゲームで出ました」と振り返る尾張堯映監督は周到な準備そして確認を行っていた。 その1つが攻撃の回数を増やすこと。「いかにアタッキングサードの回数を80分間のなかで増やせるかをテーマにしてきました。高いサイドの位置から積極的に仕掛けられました(尾張監督)」 2つ目は前線からのプレス。FW9佐藤とその相棒FW18 岩﨑翔親(3年)。この2トップの献身的な動きが相手守備陣に圧をかけ続けた。 「相手のセンターバックは良い選手なので、いかにストレスを与え続けるか、攻守でのハードワークをふたりには求めていました。そうした意味ではよく頑張ってくれました」と称えた。 これらを踏まえたうえで、ハーフタイムのときの尾張監督が選手に伝えた言葉が思い浮かぶ。 「抜け目なく。切れ目なく」 点差に惑わされない抜け目のないプレー。そして切れ目ない執拗な攻撃と前線からのプレス。これらが勝利につながった。 (文・写真=佐藤亮太)