小泉今日子&小林聡美、50代の幼なじみ2人の日常をユーモラスに描いた友情物語「団地のふたり」
――人間関係が希薄になってきたと言われがちな現代ですが、団地に住んでいると人との関わり方もうまくなりそうですね。 小泉 「団地に限らず、最近はさまざまなところで小さなコミュニティーみたいな活動が盛んになっているような気がします。団地もその一つなのかもしれないので、このドラマを見て影響があったらすてきだなと思います」 小林 「自分から、何かに関わろうと思って行動することが大切だと思うし、おせっかいかなと思うようなことでも躊躇(ちゅうちょ)しないで関わっていけたらいいのかも」 小泉 「そうですよね。困っている人がいたら『大丈夫ですか』と言える人が増えたらいいね」 小林 「そういうことをしてみたら自然とコミュニティーになっていた、みたいなのが理想なのかな。人と関わるのが怖いと思っている人も多いかもしれないですけど、私たち世代は図々しく人と関われるので、これからも図々しくやっていきたいなと思います」
――この作品に携わって感じた団地の問題点だったり、心に残ったことはありますか。 小泉 「原作では描ききれなかった団地というコミュニティーを通して見えてくる社会みたいなものは、ドラマでフォローできているような気がして、台本が上がってくるのが楽しみでした。毎話、いろいろな問題が起こるのですが、印象に残っているのは、親の介護問題です。自分も経験をしているので切実だなと思って撮影していました」 小林 「ちょうど私たち世代は親の高齢と向き合う世代でもあるし、実際、団地でロケをしてみたら、1人で買い物に行ったりする高齢の方がいて心配になりました。あと、ベランダを見れば暮らしぶりが分かったりするのですが、この部屋はだれも住んでいないのかなと、気になったりして。現実ではヘビーなテーマでもあるのですが、このドラマはハートウオーミングなテイストで届けられているのではと思います」 ――ノエチとなっちゃん、演じてみて2人の生き方をどう感じましたか。 小泉 「実際になっちゃんみたいな友達がいるんです。その方は自由業で、親が残した家に住んでいるんだけど…」 小林 「私の周りは、結婚して自分の家庭を築いている方の方が多いかも」 小泉 「結婚したけど、ノエチみたいに出戻って実家で暮らしている友達もいるな。そんな環境でも自然に受け入れて、特殊な感じはしないですね。だから、ノエチとなっちゃんの生活も、同じ気持ちで見ている感じです。しょうがないよねという感じかな」 小林 「ノエチとなっちゃんみたいに、気の置けない友達がいるのはすごく安心すると思う」