「野球小僧の夢」 マツダスタジアムで一夜限りのキャンプ チケット販売1分で完売
プロ野球広島カープの本拠地、マツダスタジアム(広島市南区)がキャンプ場に-。9年ぶりとなる天然芝の全面張り替えに伴い、テレビ新広島(TSS、同区)の人気番組と球団がタッグを組み、一夜限りの夢の空間が誕生した。熱戦が繰り広げられるフィールドでの非日常体験に、ファンもキャンパーも満足げ。チケットの販売開始1分足らずで完売したレアイベントをリポートする。 【写真】キャンプ参加者から食材を分けてもらい、笑顔の大瀬良大地投手とバイきんぐの西村瑞樹さん、タレントの鈴木福さん ■球場らしからぬ 炭火の煙に、本格仕様のテントの数々。11月30日、球場らしからぬ光景がグラウンド一面に広がった。 全面張り替えの機会に、お笑いコンビ「バイきんぐ」の西村瑞樹さん=広島市出身=が趣味のキャンプを楽しみ、地域住民とふれ合うバラエティー番組「西村キャンプ場」を制作するTSSが球団に掛け合い、球団も快諾。「一夜限りのマツダスタジアムキャンプ場」が実現したのだ。 イベントのチケット料金はグラウンドのゾーンごとに8万円から5万5千円と「安くはない価格設定」(TSS担当者)も、お金に代えられない体験とあって、売り出し開始1分で完売する人気ぶり。カープファンクラブからは2829組の応募があり、抽選で10組が無料で招待された。 ファンクラブ当選以外のテントは参加者が自ら搬入して張るが、「本当に、芝にペグ(テント用のくぎ)を打っていいのか緊張した」との声も。選手がときに命を削ってプレーするグラウンド。カープファンがそう感じるのも無理はない。 1区画6メートル×8メートルで、各サイトごとに背番号と選手名を記した立て看板が設置され、ファン心理をくすぐる仕様に。キャンプに欠かせないたき火用の木炭販売などを手がける日の丸産業(広島市南区)がもみ殻固形燃料(1組当たり20キロ)を提供した。 火気の使用についてもきちんと市の許可を得た。TSS担当者によると、球場らしさを楽しんでもらいつつ、不便さを感じないよう準備に心を砕いたという。 「夢かなった」