値千金の先制弾も逆転でベスト8敗退…明秀日立DF久保遼真「絶対的な選手になってここに戻ってきたい」
[1.4 選手権準々決勝 明秀日立高 1-2 東海大相模高 U等々力] 明秀日立高(茨城)にとって、苦しいゲーム展開だった。開始1分にMF尾上陸(3年)が放ったシュートを最後に、シュートがないまま時計の針が進んでいた明秀日立は、数少ないチャンスをものにする。前半34分、右CKでFW竹花龍生(3年)のボールを中央のDF久保遼真(2年)がヘディングでとらえる。これがゴールネットを揺らして、今大会3試合連続で先制点を奪った。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 「今日はなんかいい予感がしていて、いつもはファー気味に入るんですけど、入る場所を変えてみたらいいボールが着て、いい感触でヘッドができました」。久保は自らの直感に従ってアレンジしたセットプレーが、待望の先制点につながった。 しかし、公式記録上では久保のシュートが明秀日立にとってこの試合最後のシュートとなる。「つなぐチームなので、前からはめていこう」と東海大相模対策を講じてきたが、守り切ることができず、前半終了間際に同点弾、後半25分に逆転弾を許し敗戦。昨年はインターハイで日本一を経験し、今年の選手権では明秀日立の最高成績であるベスト8(2017年度)に並んだが、それを越えることはできなかった。 「(3回戦の)帝京戦でも自分のミスから失点してしまって、今日は自分がチームを勝たせるようにと思ったんすけど……」。3年生のことを思うと涙があふれてきた。 徳島県出身の久保は、「関東はサッカーのレベルが高いので、自分を高いレベルの環境に身を置きたいっていうのと、大学とかプロを考えたときに、そういう進路探しにも有利だと思いました」と高校では地元を離れることを決断した。「自分の対人のよさにも気づけましたし、ここに来てから成長できている」と実感を込める。 選手権の3試合で先発した1、2年生は、久保、DF廣瀬魁(2年)、MF六崎蓮太(1年)のみ。「3年生には感謝しかないです」という久保は、「先輩たちの練習に取り組む姿勢だったり、ピッチ外の姿勢を見てきましたし、来年は自分が中心になって、またいいチームをつくりたい」と覚悟を決める。 初の全国の舞台に立った久保は「対人守備とかまだまだだなと思ったので、もっと絶対的な選手になって、来年ここに戻ってきて借りを返したいです」。明秀日立のセンターバックは、成長した姿を見せてくれるはずだ。