投資総額100億円! 急成長・コープさっぽろの物流戦略とは 「物流の2024年問題は、すでに先取り解決済み」
広大な北海道で消費者の生活と密接につながり、小売業界で大きな存在感を示しているのが生活協同組合コープさっぽろです。 「北海道の食のインフラ」と自らを位置づけるコープさっぽろの先進的な取り組みを象徴するのが、物流戦略です。 2024年問題に揺れる物流業界の中で、なぜ日本中から注目される先端的な物流の仕組みを構築できたのか。その戦略と成果を探ります。
【高橋 徹 Akira Takahashi】 北海道ロジサービス 専務取締役 2013年 物流会社を経て生活協同組合コープさっぽろ入協、北海道ロジサービスへ出向。 倉庫・事務・輸配送・営業等の各管理業務を担当。 2018年マテハンエンジニアリングの設立、同社代表取締役社長へ就任。 2020年北海道ロジサービス執行役員常務、2021年専務取締役(現職)。
紙の伝票を電子化で統一。33億円の効果も期待
北海道の世帯数の8割にあたる200万人以上の組合員(世帯加入)を抱えるのが、北海道のスーパー・宅配事業最大手の生活協同組合コープさっぽろです。 独自性にあふれたさまざまな施策が行われる中でも、その先進性を最も象徴しているのが物流戦略だといえるでしょう。 コープさっぽろの物流を一手に手がけているのが、グループ企業の北海道ロジサービスです。北海道江別市にある敷地6.6haの広大な物流センターから、全道に向けて荷物を配送。取引先はコープさっぽろが67%を占め、それ以外に400社ほどと取引をしています。
北海道ロジサービスではコロナ禍前からいち早く2024年問題にも取り組み、徹底的な効率化を推進。この2年間で物流業界を代表する3つの賞を受賞するなど、大きな注目を集めています。
「ロジスティクス大賞」(2022年度)では、日本で初めて導入した納品伝票のペーパーレス化が受賞の対象となりました。 紙の納品書は会社ごとにフォーマットも違い、ドライバーや事務作業員にとってその管理は大きな負担です。 そこでITシステム会社TUNAGUTEと共同で開発したクラウド型共通システムを導入し規格を統一。電子化することで「製・配・販」すべてのステークホルダーが簡単に情報を連携し可視化できるようになりました。