これで本当にRIZINでは見納め?!なぜ堀口恭司は元Bellator王者を相手に3年越しのリベンジに成功したのか…「UFCのバンタム級では通用しない」の声には反論
だが、一方で無鉄砲に殴り合えば、前回のようにぺティスに逆転のチャンスを与えることにもなる。それは堀口の魅力でもあり、勝負の上では欠点とも言える悪い癖でもあった。 「(セコンドに勝ちに徹しろと)言われるまでは、盛り上げるためにちょっと打ち合っちゃおうかなと。でも前回のミスがあったので、ちゃんとセコンドの話を聞いて勝ちに徹しようと思った」 堀口は、そう思い直した。 それが3年間の進化の姿だった。 2分過ぎまで距離をとり無理はしなかった。 だが、何もしないまま逃げ切るわけにはいかなかった。突っ込んで、左のパンチを打ちに行った際に左のカウンターをもらい、背中からマットに落ちた。この試合唯一のピンチ。ぺティスはフットスタンプで追い打ちをかけ、それを交わされるとバックからするすると腕を首にからめてチョークを狙ってくる。堀口が上を向くと、ぺティスはダースチョークに移行したが、RIZINフライ級王者は、体を反転させてエスケープ。その場で立ち上がると場内は大歓声に包まれた。 「入ったかと一瞬、思ったが、汗で滑った。うまく堀口が逃げたと感じている」とはぺティスの回想。「3分経過」の場内アナウンスと共に期せずして「恭司コール」が起きた。 一発逆転を狙うぺティスは、左構え、右構えとスイッチしながら、堀口の右フックの打ち終わりにバックスピンキックを返してきた。だが、最後まで、距離を見誤らなかった堀口にはお見通しだった。堀口は、タックルを仕掛け、バランスを崩したところに右のパンチをお見舞して、ぺティスは背中からマットに落ちた。そこに覆いかぶさり上になって最後まで1本を狙い続けたところで試合終了のゴング。堀口はぺティスの胸あたりをポンポンと2回叩き、抱き合って互いの健闘を称えた。 判定は3-0だった。堀口は何度も両手を突き上げた。 「しっかりとリベンジはできたが、最後1本は取りたかったなと。でもリベンジマッチで勝つ姿を見せることが目標だった。そこは見せられたかな」 試合後のリング上に昨年の大晦日大会で公開プロポーズをして今年2月に結婚した新妻の直央さんを「結婚して初めての試合なんで」と迎え入れた。フライ級からバンタム級に戻すために増量が必要だったが、食事面などのサポートを受けた。 「一番(彼女が)緊張していた。リベンジマッチだし、ナーバスになっていたので勝った後に(リングに)上げて喜びを分かち合いたいなと思った。彼女にサポートをしてもらってもっともっと上を目指せる」
【関連記事】
- 「あんたにできんのかよ!」朝倉未来&平本蓮も敵じゃない?なぜRIZINフェザー級王者の鈴木千裕は1RTKO防衛を果たせたのか
- 7.28埼玉「超RIZIN.3」で実現の朝倉未来vs平本蓮が「負けたら引退マッチ」となった理由とは?…この戦いに勝負論はあるのか?
- ボクシング界は許さない!逮捕されたヒロキングの問題を所属ジム亀田大毅会長が謝罪&活動自粛表明もJBCは厳罰処分検討へ
- 「井上尚弥、拓真に勝てる」「欠点を見つけた」桜庭和志を崇拝するバンタム級世界ランカーと無敗のフェザー級有望株ボクサーが名声を求めてモンスターへ“挑戦状”
- 7.20両国で那須川天心が転向4戦目で世界4位のパンチャーと危険なマッチメイク…井上尚弥が 東京ドーム決戦で作った空前のボクシングブームを「終わらせない」覚悟