姫路市、「脱炭素先行地域」の選定辞退…事業進めると電気代6000万円割高に
兵庫県姫路市は、全国に先駆けて気候変動対策に取り組む環境省の「脱炭素先行地域」の選定を辞退した。
脱炭素先行地域は自治体などが地域の特性を生かし、民生部門の電力消費に伴う温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指し、環境省が事業を支援する。同市の辞退が受理されたことで、全国の選定地域は81件(昨年12月16日現在)になり、県内では神戸、尼崎、加西、淡路の4市が選ばれている。
姫路市は、姫路城や市立動物園など城周辺の公共施設13施設の電力を太陽光発電で供給するとして2022年に選定された。計画では、関西電力が市の遊休地に発電設備を設置し、市が電気を購入するとしていた。
しかし、人件費や物件費の高騰で設置費が当初より高額になる見通しとなり、計画を撤回。市によると、事業を進めた場合、電気料金が年間6000万円ほど割高になる見込みという。
姫路城については、すでに再生エネルギー由来の電力を購入することで脱炭素を実現しており、市は「脱炭素を目指す取り組みに変わりはない」としている。