【トランプ爆勝!】その勝因と今後の日米関係のキーワードは「不安」と「安心」
トランプが勝利宣言!
「これは大きな政治のうねりだ。いまからこの国の歴史を変える。メイク・アメリカ・グレート・アゲイン!!」 金正恩がロシアへの協力を惜しまない「のっぴきならない事情」 現地時間の11月6日深夜2時26分(日本時間同日午後4時26分)、ドナルド・トランプ前大統領がフロリダ州のキャンペーン会場に姿を見せ、27分にわたる「勝利宣言」を行った。 世界が注視した11月5日(アメリカ時間)のアメリカ大統領選挙は、トランプ前大統領の当選が確実となった。選挙人の獲得人数は、トランプ候補が277人で、カマラ・ハリス候補(副大統領)が224人(日本時間同日午後7時半現在)。すでに選挙人総数の過半数を超えている。 思えば選挙キャンペーンの終盤、それまで劣勢だったトランプ候補の支持率が徐々に伸びて、ついにハリス候補の支持率とクロスした。この時、どこかで見た光景だと感じた。そう、9月に日本で行われた自民党総裁選挙である。 ハリス候補の様子は、小泉進次郎候補に似ていた。若々しくて、溌溂としていて、笑顔が似合って、新鮮感にあふれていた。 一方のトランプ候補は、石破茂候補を髣髴(ほうふつ)させた。よく言えば老獪(ろうかい)、悪く言えば「過去の人」だ。 換言すれば、多くの有権者は、ハリス候補に対して「不安」があり、トランプ候補に対しては「不満」があった。だからおそらくは、積極的にではなく消去法で、つまり仕方なくどちらかに投票したのである。 そうした状況下では、投票日までまだ日がある頃には、「不満」の方が感情的に大きく、「不安」は「新鮮さ」に掻き消される。ところがいざ投票日になると、「不満」の方が「不安」よりも容認できるように思えてくるものだ。日本でも、新鮮な小泉候補は最終盤に失速し、ベテランの石破候補が最終的に勝利したではないか。 アメリカ大統領選挙も同様で、トランプ候補は少なくとも、4年間の「大統領としての実績」がある。だが、ハリス候補にはない。一応、副大統領を3年半以上務めているが、周知のように影が薄い。だからその手腕に「不安」が拭えず、最後に失速したのである。 これが私の見立てで、実は自民党総裁選挙の直後、あるテレビ番組で述べた。「今回、自民党総裁選で石破候補が勝ったのだから、アメリカ大統領選ではトランプ候補が勝つでしょう」。日米では当然、国情が違うが、人間の深層心理、生物的本能は変化なかろうと思ったのだ。