WWE女子タッグ王者組となったビアンカ・ブレアとジェイド・カーギル

　WWEのプレミアム・ライブ・イベント（PLE）『バッシュ・イン・ベルリン』が現地時間8月31日にドイツの首都であるベルリンのウーバー・アレーナで開催された。ベルリンからのWWEのテレビ放送は実に27年ぶり。その時のRAWでは現在は消滅しているヨーロピアン王座決定トーナメントの決勝がデイビーボーイ・スミスとオーエン・ハートによって争われた。1997年の2月に行われたその試合は名勝負として名高いものの、残念ながらAbemaプライムではまだ視聴する事はできない。しかし今回の『バッシュ・イン・ベルリン』は1週間の限定期間ながら無料放送枠で見られるので、これを機会に「世界最高のプロレス」に触れてみてはいかがだろう。 　女子タッグ王座戦は、地元であるスコットランドで開催されたPLE『クラッシュ・アット・ザ・キャッスル』で王座獲得に成功したアルバ・ファイアとアイラ・ドーンのアンホーリー・ユニオンが、前王者であるビアンカ・ブレアとジェイド・カーギルの挑戦を受ける事となった。先日のスマックダウンでの王座戦ではブレア・ダベンポートの乱入による反則裁定でのタイトル防衛である事や、そもそも王座獲得も直接のフォールではなく、ごっつぁんゴール的な勝利だけあって、挑戦者組の圧倒的有利という下馬評であった。

DDTからのジャーマンと連撃するアンカ・ブレアとジェイド・カーギル

　試合は王者組が攪乱させるような動きでビアンカを戸惑わせたものの、1対1では挑戦者組に分があるようで、コーナーパンチでは観客からの「アイン、ツヴァイ・・・」とドイツ語でのカウントで後押しされていく。しかしそこはアイラがクレームをつけて隙を作るとアルバが抜け出して、その後は巧みなタッグワークで挑戦者を翻弄していく。場外で苦戦するビアンカを救出に向かったジェイドには死角からのトペをアルバが決め、その後もビアンカの見えないところでのタッチで試合権利を入れ替え、さらにはタッチを狙うビアンカにジェイドをステップとしたトルネードDDTを決めるなどチーム力の違いを見せつけていく。 　しかしようやくタッチに成功するとそれまでのうっぷんを晴らすかのようにふたりへのクローズライン、スパインバスター、フォールアウェイスラムと次々とふたりを蹴散らすジェイド。アイラもジャックハマーは自力で返し、再び捕まえたビアンカにゴリースペシャル・ボムとリバースDDTの合体技を決めるがこれはジェイドがカット。アルバはビアンカをステップとしたトルネードDDTを狙うが、これはビアンカが足を捕まえ、2人がかりのゴリラ・プレス。続けてジェイドがビアンカを叩きつけるふたりならではの連携でアルバを追い込んでいく。 　王者組もバッククラッカーとスワントーン・ボムの合体技で逆転を狙うが、これはビアンカが逃げてしまったため、逆に自身が大きいダメージを受けてしまう。 　ここでビアンカがアルバを場外に投げ捨てると、なんとジェイドがそのままキャッチして、フェンスに投げつける。これで戦線離脱となってしまったアルバに、残されたアイラも奮闘するもビアンカのスパインバスターから、ビアンカのDDTとサポート付のジェイドのジャーマンで王座奪回を許してしまう。新王者組にとっては『クラッシュ・アット・ザ・キャッスル』で横取りされたフィニッシュで取り返したかたちとなった。