長内が7戦全勝で初の幕下優勝「土俵際で残すのが自分の持ち味」来年初場所は十両昇進に挑む
<大相撲九州場所>◇13日目◇22日◇福岡国際センター 西幕下48枚目の長内(25=高砂)が、7戦全勝で初の幕下優勝を飾った。西幕下31枚目の北勝丸(八角)を、土俵際で粘って上手投げ。近大から前相撲で初土俵を踏み、3場所目で序二段優勝した21年名古屋場所以来、3年ぶりの各段優勝を果たした。「立ち合いは良くなかったけど、今場所は特に土俵際で粘ることができている。土俵際で残すのが自分の持ち味」。泥くさく並べた白星を誇らしく振り返った。 相撲どころの青森県出身という環境と「球技とかはできないので」という苦手意識から、幼稚園のころから相撲一筋だった。砂遊びといえば土俵の上だった。そんな中、幼少から相撲の試合前、両親に言われていた「楽しめ。負けてもいいから」という言葉に背中を押された。この日の大一番も「(昨晩は)よく寝られたけど、朝になって部屋の人たちに『優勝しろよ』と言われてから緊張した。でも(土俵下の)控えに入ってからは落ち着いていた」と、自然と楽しもうという意識が強まり、本来の力を発揮した。 最高位は東幕下10枚目で、来場所はそこに近い位置まで番付を上げる可能性もある。「まずは勝ち越して、少しずつでも番付を上げられれば」。来年は、目標の新十両昇進を視野に入れて闘い続ける決意を示した。【高田文太】