RISE世界王座初防衛の志朗「皆が見えてない世界を体現した。キックボクシング5Rの本質見せた」
「キックボクシング・RISE」(8日、横浜BUNTAI) ビッグマッチ「RISE WORLD SERIES 2024 YOKOHAMA」が開催され、メインイベントのRISE世界バンタム級タイトルマッチ3分5回戦は、王者・志朗(31)=ビーウェルキックボクシング=が挑戦者・田丸辰(22)=トライハード=を判定3-0で破り、初防衛に成功した。 【写真】田丸辰に右フックを見舞う志朗 顔面が大きくゆがむ 偶然のバッティングで志朗が鼻を骨折し、無効試合となった3月のタイトルマッチの仕切り直し。最後までスピーディーでテクニカルな攻防が途切れない接戦となったが、王者が紙一重の勝負をモノにした。 3回まではジャッジ3者とも30-30の競り合いだったが、最終的には3者とも50-49で志朗を支持。3者とも最終5ラウンドを10-9で志朗に付けていた。 志朗は「駆け引きというか、5ラウンド見せられたのも良かった。評価が分かれる試合になったんじゃないかと思いますけれども、ボクシングキックじゃなく、キックボクシングの5ラウンドの本質を見せられたんじゃないかと思います。自分たちは先の先まで読んでいるわけですよ。反応した先を見て隙を突いてくるわけです。そこでレベルが高かったなと思います。みんなが見えてない世界を自分たちは体現していたと思います」と、レベルが高すぎる戦いを誇らしげに振り返った。 勝負を分けた部分については「4(ラウンド)か5で(ポイントを)取ったなと。(田丸は)鼻血プラス目も腫れていたし。なるべくロープを背負わない、自分の攻撃で終わるなど、見栄えを意識した。どちらかに付けるとしたら自分に振るしかないと思った。1ポイント差で取ったと思った」と解説してみせた。 敗れた田丸は「負けたのめっちゃ久々なんで悔しい」と肩を落とした。接戦について「4ラウンドまでドローで、5の途中から差がつかないなと思って、正直延長の準備しながら戦ってたんで、そこで負けちゃったのかな…」と敗因を分析し、「取られたとしたら5ラウンドだと思って、途中まで(映像を)見てるんけど、そんなに全員がつけるほどの内容だったのかなという気がしています」とボヤキ節。「延長で一気にギアを上げて、明確にダウンを取ったり取りに行こうと試合中プランを組み立てていたんですけど、そこが心構え的に二流だったな」と自虐的に語った。 志朗については「時代を変えるために倒しに行こう、明確に差をつけて勝とうと思っていたけど。想像を超えてくるようなことはなかった。明確に差が付けられなかった、当てられなかったので、そこが志朗選手の強さだったりうまさだったりするのかなと思いますね」と振り返った。 今後について「正直今はマジで、なんで負けたんだろう?という感じ」、「今すぐ志朗選手とやりたいくらいの気持ち」と悔しさいっぱいに語り、「いろいろ見つめ直さなければいけない。井上尚弥選手や那須川天心選手や武尊選手だったら1ラウンド目から倒しに行ってたと思う。そういった心がけの部分で自分自身二流だった。RISEを引っ張っていく素質がなかったんだなっていう内容だった。あの内容でギリギリ勝ったとしても、田丸が今後のRISEのスターだなとはならなかった結果だったと思う」と猛省。「気持ち的にも技術的にも変化していかなければならない内容だったかなと思います、次戦生まれ変わった田丸に期待してください」と、新生を誓っていた。