成功するリーダーが楽観的な理由。「コーヒー焙煎」ビジネスでの成功から私が学んだこと
「意図すること」の力を活かす
「達成したいこと」のビジョンを描くこと。それを、ほかの人の助けを借りて共有し、育んでいくこと。これらは、どのようなビジネスを立ち上げるのであれ、必要な第一歩です。 しかし、最終的に成功をもたらしてくれるのは日々の業務です。目の前のことに集中し、全力でやり遂げれば、未来はおのずと切り開かれていくでしょう。そのための「方法」は、その過程で見えてくるのです。 現在地から目標にたどり着くうえで、特定の方法に固執しすぎると、可能性を狭めることになってしまいます。うまくいかないことがあれば、シンプルに別の方法を試せばいいのです。
予測できたことなど、ほとんどなかった
現実は、あまりにも予測不可能なもの。タスクであれ、取り組みであれ、「成功させるための正しいやり方」を正確に予測することはできません。私の場合は最初の数年間、予見できないことが、とにかくたくさん起こりました。 創業して数年後に、最初から一緒だった共同経営者たちを両方とも失うことになるなんて、予見していませんでした。 あるいは、ニューヨークに行ったとき、元恋人であるコニーの親友クリスティンとデートし、 その6カ月後に彼女と結婚することになるなんて、思ってもいませんでした。その数年後には、素晴らしい子どもたちを授かりましたが、これもまた予想外です。 あるいは、バーモント州の小さなショッピングモール内にあったレストランの上に古ぼけたオフィスを借り、その小さな会議室で、昼夜を問わず、クリスティンと電卓を使って、スプレッドシートを手作業で作成することも、予測していませんでした。 予定では、物静かな共同経営者になるつもりだったのに、赤字続きのコーヒー焙煎ビジネスを経営する、非常にアクティブなCEOになったことも、想定外でした。
「意図すること」が成功へと導いてくれる
ここで発揮されるのが、「意図すること」の力だと私は思います。作家Deepak Chopra氏が著書『富と成功をもたらす7つの法則(The Seven Spiritual Laws of Success)』(邦訳:KADOKAWA)のなかで、願望と意図の違いについて語っています。 私は1990年代、この本をほぼ毎日読んでいました。詳しい内容を知りたければ、読むことをおすすめします。とにかく、この本のなかで特に私の心に響いたのは、「あまりにも多くの人が、人生で何かを望みながらも、それを逃してしまっている」ということです。 何かを実現させたいという意図を持つ人は、成功する確率が高くなります。そういう人は、意識的にせよ無意識的にせよ、内なる自信を育み、ゴールはきっと達成されることを「知って」いるのです。 絵本の『The Little Engine That Could(ちびっこきかんしゃだいじょうぶ)』(邦訳:フリュー刊)を思い出してみてください。意図とは「自分はできると思う」ではなく「自分はできる、と知っている」ということなのです。 強い意図を持てば、仕事に没頭する「フロー状態」が増え、それを維持できるようになります。そして、問題をダイナミックに解決し、何が起きても道を見失うことなく対応することが可能になります。 意図は、チャンスをつかまえるマインドセットの一部として、可能性をポジティブな成果へと変える力を応援してくれるものなのです。 前が見えなくてもたどり着ける ビジネスを立ち上げることは、飛行機の操縦と似ています。私はシラキュース大学在学中に、パイロット免許を取得し、そのあとに進学したアイオワ州のパーソンズ・カレッジでは、フライング・クラブに所属していました。 自分が操縦桿を握って離陸したとき、ものすごい雨が降っていたときのことを覚えています。 視界が悪く、ほとんど何も見えません。乗客にしてみれば不安な状況ですが、パイロットにとっては大きな問題ではありません。 飛行機を移動させて滑走路で待機し、ジャイロコンパスを正しい方位に設定したら、あとはその設定に従って離陸し、何も疑わずに雨のなかを飛行します。ある地点から別の地点まで、何も見えなくても飛行することはできるのです。 計器を信頼し、あとは飛行中のデータに頼るのみ。 ビジネスでもしばしば、前が見えずに飛ぶ時があります。けれども、目的地がわかっており、意図がしっかり定まっていれば、そこにたどり着きます。 ビジョンと意図を一体化させることで、リーダーは、長期的な取り組みを維持できるようになるでしょう。ゴールを共につくり上げることで生まれる集団の意図は、たった一人の意図よりもはるかに強力です。 従業員たちと共に戦略を練り上げ、目標を定めることで、リーダーから与えられた指示に従業員が従うかたちではなく、合意とともにスタートができます。 Green Mountainで、従業員全員を巻き込んで生まれた集団的な意図は、成功への道を開くカギでした。私たちは最終的に成功を手にしたのです。 Source: Amazon(1, 2) Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
遠藤康子(ガリレオ)