【緊急警報】真夏のガジェット大爆発を回避せよ! 車内に放置のスマホ、携帯扇風機に屋外の電動キックボードも危ない!?
――ヤバっ! そもそもの話ですが、リチウムイオン電池が発火する仕組みって? 山﨑 リチウムイオン電池の構造は、灯油と同じレベルの可燃性の電解液に浸されたプラス極とマイナス極がセパレーターという材料で仕切られていますが、強い衝撃を受けると、セパレーターが壊れ、プラス極とマイナス極がくっついてしまう。それでショートする。 ショートしてしまうと、内部で化学反応が起き、温度は急上昇。電解液は可燃性ガスとなり、ショートの火花が発火源に。発火すると、最終的には破裂に至ります。 ――そして熱にも弱いと? 山﨑 リチウムイオン電池は温度変化に弱いので、通常は5~45℃の範囲での使用が推奨されています。45℃以上になると劣化が加速し、50℃以上になると発火の恐れも。 ――すべてのリチウムイオン電池に問題があるんですか? 山﨑 全体的にリチウムイオン電池は熱や衝撃を嫌いますが、特に非純正バッテリーはチェックがされていません。品質管理が甘く純正品より劣っている。安全装置の部分が簡易的なので、部品数も少ない。 そのため純正品より値段が安くなる。不良品をつかまされないためにも、非純正品を購入する際には、製造元を検索し、過去に事故を起こしていないか調べてみることをオススメします。 ――粗悪品があると。ちなみに最も燃えているモバイルバッテリーの見極め方は? 山﨑 現在、電気用品安全法を満たしていることを示す「PSEマーク」の表示がないモバイルバッテリーは国が家電量販店での販売を禁じています。 また、大手通販サイトに違法製品の出品を停止するよう要請していますし、ネットパトロールで順守しているか販売元に確認しています。ただ、ネット上での違法製品の取引を完全に防ぐことはできていません。 ――それはなぜ? 山﨑 海外の通販サイトやネットオークションなどで、海外から個人が直接購入するケースもあるからです。ただ、製品の使用者が販売元に連絡を取ろうとしてもわからなかったり、つながらなかったりして発火事故で泣き寝入りになるケースも。 ――怖っ! 簡単にできる真夏の大爆発回避法は? 山﨑 落下や衝撃を避けること。高温を避けること。夏場にクルマで外出した際は必ずスマホやモバイルバッテリーを持ち歩く。ビーチは高温になるので要注意です。 ――ちなみに電動アシスト付き自転車や、電動キックボードもリチウムイオン電池搭載モデルがあります。 山﨑 駐車する場合は日陰を選び、繰り返しになりますが、強い衝撃を与えない。発火したら安全な距離を取り、119番通報してください。 取材・文/週プレ自動車班