「婦人科に入りづらい」8割以上が“更年期我慢” ほてりや疲れ抱えながらも受診避ける 渋谷に新クリニック開業「恥ずかしいことじゃない」
更年期症状に悩む男女の多くが我慢し、医療機関を訪れない現状があり、特に「時間がない」や「婦人科に入りづらい」といった理由が多いという。 東京・渋谷に開業したクリニックは、症状を抱える人々が気軽に受診できる環境を提供している。 【画像】更年期の診察の流れや、診察料、検査代、薬代などの治療費の負担額
「時間がない」更年期症状の向き合い方
更年期症状を感じながらも、実に8割以上の男女が我慢して、いつも通りに仕事や家事を行っているという。 この「更年期我慢」は、いったいなぜ起こるのか、そして更年期我慢を減らす新たな動きを、遠藤玲子キャスターが取材した。 遠藤玲子キャスター: 毎年10月18日から24日までは、閉経を意味する「メノポーズ週間」と呼ばれ、更年期の健康に関わる情報を全世界に提供する期間です。 女性の場合、主に45~55歳前後で迎える更年期。ほてりや疲れ、憂鬱や頭痛など症状も重さもさまざまです。みなさんは、どのように向き合っているのでしょうか? 回答者: 体がほてったり汗が出たり、そういうのが更年期かなと。病院に行ってどうなんだろうっていう気持ちがあって、行ってないです。我慢します。 遠藤玲子キャスター: つらかったらどうしますか? 回答者: 我慢します。 50代の回答者: いつの間にか疲れやすくて、疲れが取れないが始まっている。(病院を)受診ってタイミングがないですよね。 50代の回答者: 今も若干まだありますけど、ほてりとかは。 遠藤キャスター: 病院に行きました? 50代の回答者: 病院は行かずに、なんとか過ごしました。 遠藤キャスター: ほてりなどの代表的な症状があっても病院にも行かず、我慢している理由として、「時間がない」や「婦人科に入りづらい」という声が多く聞かれました。
「すごく落ち着いた」受診で精神的にも和らぐ
そんな婦人科受診へのハードルを下げたいと、新たなクリニックがオープンした。 遠藤キャスター: 婦人服売り場、化粧品売り場などのすぐ横にあって、婦人科には見えない外観で、入りやすいです。3カ月前に開業した東京・渋谷の「Inaba Clinic」は、施設の中も木目調で、おしゃれな雰囲気です。働く女性もアクセスしやすいように、場所も渋谷駅直結の商業施設「東急プラザ渋谷」を選びました。 Inaba Clinic・稲葉可奈子院長: 日本の女性はものすごく我慢強いので、どのくらいになったら受診した方がいいんだろうって悩まれてる方が結構いる。産婦人科を受診することで、何にも恥ずかしいことじゃないという雰囲気とかイメージに日本もなっていくといいなと思い、きっかけを作りたい。 遠藤キャスター: 現在、このクリニックに通っている40代の加藤さん(仮名)も3年間、更年期の症状を我慢していました。 更年期で受診・加藤さん: すごく疲れるなっていうのが何年か続いて、「更年期かも」とはちょっと思ってたんですが「いや違う、まだそうじゃない」と思いたい自分もいて、やり過ごしていた。 遠藤キャスター: 我慢しながら、仕事や子育てに追われる日々…。しかし2024年の夏、ほてりなど症状が悪化したため、限界を感じ、診察を受けました。実際、来てみてどうだったのでしょうか。 更年期で受診・加藤さん: ほてりというか、ホットフラッシュみたいなのは、薬をいただいてからゼロになったのでびっくりして。 遠藤キャスター: 受診で和らいだのは、症状だけではありませんでした。 更年期で受診・加藤さん: 今までつらかったことを「わーっ」と、初めて聞いてもらい、そこですごく落ち着いて。私…こうしてほしかったというか、これを聞いてほしかったんだなとすごく感じました。 遠藤キャスター: 家族に伝えても、なかなか理解してもらえなかった体の異変を、誰かと共有できたことで精神的にも安定したそうです。 Inaba Clinic・稲葉可奈子院長: 更年期はただの時期。長生きしてれば誰もが通るところで、「自分もう更年期…」みたいなネガティブなとらえ方じゃなくて、「元気に更年期を過ごしていくぞ」ぐらいに思ってもらえるといい。