エディオンがZ世代向け新型家電を発表。背景に20代購入層「わずか7%」の危機感
ホットプレートの販売実績から見えてきた「雑貨店の人気」
前述の課題を解決すべく、エディオンでは、2024年1~9月のホットプレートの販売実績を分析。 すると、大手家電メーカー製ホットプレートでは20代の購入者の割合が全体の5%にとどまっていたが、インテリア雑貨メーカーの商品では全体の20%を占めていたという。 「デザイン性の高い家電が雑貨店でも流通するようになり、若い世代の潜在顧客が雑貨店などに分散している」(池田氏)
Z世代を狙った「ビジュ家電」は女性からも支持
そこでエディオンは、Z世代などの若年層を意識した「カラーデザインシリーズ」を8月に投入した。 カラーデザインシリーズの特徴は、デザイン性=ビジュアルに優れた「ビジュ家電」であること。 部屋での自撮り写真をSNSへアップロードする際の「映え」も考慮し、丸みを帯びたデザインやくすみカラーを採用した。 8月に投入された第1弾商品は、オーブントースター、グリル鍋、タンブラーミキサーの3種類。 エディオンの調査によれば、調理家電の全商品との比較で、カラーデザインシリーズでは20代の購入者の構成比が6.3%から13.1%まで増加したという。 男女比では女性の割合が46.6%から56.9%まで増え、若い世代の女性に支持されている。
第3弾商品の開発も進む
今回発売される2種類のヒーターの販売目標について、「具体的な数字は控えるが、(電気ストーブの中で)10%程度の純増を狙っている」と池田氏は語る。 今後に向けて、第3弾となる商品の開発も進んでいるという。 カラーデザインシリーズを若年層に向けてアピールするためには、SNSの活用も重要になる。 エディオンの公式SNSアカウントのフォロワー数は、X(旧ツイッター)が約35万人、インスタグラム(Instagram)とティックトック(TikTok)が約8万人ずつ。 池田氏は「フォロワーの人に『良い』と思ってもらえるような商品開発や発信をしていく」と語り、今後への意欲を見せた。
松本和大