暗黙のタブーを破るもSNSで大バズり! 家系なのに「二郎系ラーメン」、しかも超美味くて「革命的」と話題の箕輪家「まるじろう」誕生の経緯とは?
「オープンの頃から、『有名人がやってるだけで中身がない』と言われたり、アンチにお店に行ってもいないのに口コミに1をつけられたりなど、散々叩かれた歴史があるので、もはやタブーも突破できるのかなと思っています。 『まるじろう』は女性のお客さんもとても多いです。女性も二郎を食べたかったけどハードルが高かったのかなと思います。私の好きなサウナもそうですが、おっさんの快楽を女性にも開放するとはやるのかなと思いました」(箕輪さん)
■20年以上食べ歩きをしている筆者でも「新感覚」 実際に「まるじろう」を作ってみて、改めて家系ラーメンの難しさを感じたという。 ニンニクや背脂でパワーを出す二郎系とは違い、スープとカエシのみで味を構成する家系ラーメンはスープの多少のブレが一気に味に影響してしまう。 「まるじろう」用に肉ダシをプラスしたスープを家系ラーメンにも使うことで、家系のほうも味がパワーアップした。 家系をベースにしたスープで食べる「まるじろう」は、20年以上食べ歩きをしている筆者でも新感覚だった。
ドロドロ感は一切なく、じんわりとした味わいのスープに、茹で置きしないクタっと茹でられた野菜、さらに家系ラーメンでお馴染みの卓上アイテムを加えることで新たな味わいを生む。特に刻み生姜がこれほど二郎系に合うとは知らなかった。 ■暗黙のタブーを無邪気に崩す、イノベーティブな一杯 師匠の「でぶちゃん」甲斐店主も、そのクオリティに驚いている。 「美味しくてビックリしています。家系×二郎というのはラヲタ(ラーメンオタク)的には拒絶なのでしょうが、一般ユーザーからしたら関係ないんだと思います。『つけ麺屋にラーメンもあるでしょ?』ぐらいの感覚かなと。
実績と評価が集まれば、ラヲタの常識は非常識になりますから。他業種の参入の面白みがこういうところに出ますね」(甲斐さん) 暗黙のタブーを無邪気に崩す「箕輪家」。イノベーティブな一杯は、美味しいからこそ受け入れられるのである。
井手隊長 :ラーメンライター/ミュージシャン