新監督就任を巡って浮き彫りになったJ1アビスパ福岡が抱える課題とは 【担当記者コラム】
J1福岡が16日、福岡市内で金明輝新監督(43)の就任会見を行った。今季J1町田でヘッドコーチを務めた金新監督は「選手やスタッフをリスペクトして、一体感のある強いチームを構築したい」と強調。J1鳥栖監督時代に起こしたパワハラ問題への反省と謝罪も述べ、クラブとともに再発防止への決意も披露した。 ■クラブが異例の全公開、金明輝新監督の就任会見【動画】 ◆ ◆ ◆ 【記者コラム】 新監督就任を巡ってはサポーターの賛否が分かれ、分断を招いた。長谷部茂利前監督率いるチームが結果を残し、育まれてきた一体感が一過性だったと痛感させられる。 クラブは過渡期にある。2021年からのJ1定着を通じて新規サポーターが増え、練習場に来る女性ファンも増加。ニーズも多様化した。債務超過とスタッフが足りない現状で対応しきれていない。結果リピーターを増やせず、今季J1最少の入場者数になった一因となったのではないか。「自分たちの声が届いていない」という不満は今回の監督就任を受けて増幅し、騒動につながったようにも映った。 長丁場の会見で金新監督は反省や更生について率直に語り、クラブは会見を生中継。サポーターから寄せられた意見も含めて後日Q&Aを掲載、理解を求めるなど耳を傾ける姿勢を示した。来年の30周年を機に、かつて応援してくれた人たちが戻ってくれるよう願うアビスパ。サポーターの意見がすべてではないが、会見で金監督が語った「こまやかな配慮」を、クラブが市民クラブとしてやり通す姿勢と体制づくりは欠かせない。(末継智章) ▼▼「言動でしっかりと信頼を少しずつ取り戻す」金明輝新監督の会見一問一答▼▼