デルタ航空、プレミアム席増設へ-ミレニアル世代の高級志向くすぐる
(ブルームバーグ): 米航空大手のデルタ航空は長引くコスト高騰への対策として、ミレニアル世代の高級志向を考慮し、プレミアムクラスのシート提供を拡大する。
デルタは20日に長期財務目標を発表。営業利益率が2027年から29年にかけて10%台の中ほどに到達するとの見通しを示した。この予想はウォール街の見通しより高く、デルタが予想する今年の営業利益率およそ11%を上回る。
ただし予想を上回る経費や販売の伸び悩みといった課題が短期的には残る。25年の増収率はパーセント表示で一桁の中ほどを同社は見込んでいるが、アナリスト予想の約6.1%を下回る。航空業界の効率性指標である有効座席マイル当たりコスト(燃料を除く)は、一桁台前半のペースで増加するとデルタは予想。アナリストらは1.3%の減少を見込んでいた。
今回の財務見通しで浮き彫りになったのは、目先の課題に取り組みつつ、高級感のある旅行体験を積極的に提供しようとするデルタの戦略だ。同社は全座席に占めるプレミアムシートの割合を増やす計画で、そうしたクラスのチケット収入は27年末までにエコノミークラスの収入を上回ると見通しだという。同時に格安チケット業者への顧客離れに歯止めを打つべく、低価格のベーシック料金設定も一部継続して提供する方針だ。
エド・バスティアン最高経営責任者(CEO)は「15年間、積極的な投資を続けてきた」と記者団への説明会で述べた。
高価格チケットの多くをミレニアル世代が購入するとデルタは読んでいる。1980年代初期から90年代中期に生まれたこの世代は、航空旅行に費やす額が他の世代より高く、約3分の2はぜいたく感のある旅行への支出をいとわないとデルタは述べた。
原題:Delta Leans Into Upscale Travel While Battling Heavy Costs (1)(抜粋)
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Mary Schlangenstein