新生「アレキサンダー・マックイーン」初披露 35歳のマクギアーが考えるアウトサイダー
メゾンにもたらす若々しいエネルギー
「自分の役割は、すでにボキャブラリーのあるブランドに新たなエネルギーを持ち込むこと」と話したマクギアーのデビューショーは、間違いなくブランドに若々しさをもたらした。しかし、やや既視感のあるデザインも含め、コラージュのように彼の頭の中にあるさまざまなアイデアを混ざり合ったことにより、一貫性のあるストーリーを感じることができなかったのも事実だ。
ブランドが誕生してから22年。2001年にはケリング傘下に入り、10年にリーがこの世を去った後は彼の右腕だったサラ・バートン(Sarah Burton)がその遺産を守りながら、ラグジュアリーブランドへの発展を率いてきた。そんな「アレキサンダー・マックイーン」は、今なお創業者が確立した美学や世界観の印象が強いブランド。その後継というのは、誰にとっても高いハードルだ。ましてラグジュアリーメゾンでの経験も浅く、アーカイブもまだ掘り下げられていないマクギアーの実力を知るには、もう少し時間がかかるだろう。すぐに目に見える結果を求められる昨今のラグジュアリーファッション業界だが、外部から起用されたクリエイティブ・ディレクターが1、2シーズンで真価を発揮するのは至難の業。少し長い目で見る姿勢が必要だ。