「むすこが娼婦と結婚したなんて知ったら…」エジプト人と国際結婚したベリーダンサーHANAが明かす、エジプトの知られざる現状
「ラマダン中の食事作りのプレッシャーといったら」…
――となると、モスタファさんはラマダン中、日没から24時までの数時間しかご飯を口にしない? HANA そうです。食べ物だけでなく水もNGなんで、20時間近く飲まず食わずで過ごすんです。栄養学を勉強している身からするとやっぱり心配になるんで、「血がドロドロになるから一口くらい水飲みなよ」って言うんですけど、絶対拒否ですね。 ――ラマダン中は一日1食しか食べないということですが、その貴重な1食はモスタファさんが自分で用意する? HANA いや、私です。基本的に料理は私の担当なんで。だから、ラマダン中の食事作りのプレッシャーといったらないですよ。とんでもなくその1食を楽しみにしてるんで、失敗できないじゃないですか。 ナッツやデーツ、フルーツといった欠かせない食材もあるし、お肉はハラール肉(※)しか食べないですし。 ※ハラール肉:イスラム教徒のための特別な処理を施した肉のこと ――ラマダン中だけでなく、肉は普段からハラール肉じゃないとNG? HANA ラマダンのときは特に絶対、ハラール肉じゃないとダメです。処理の仕方が違うとにおいが出るので、基本的に普段から夫は食べられないですね。ハラール肉は新大久保とかで手に入るんですけど、普通の肉より高いのでその点も大変です。
ラマダンをするにはトレーニングが必要
――HANAさんとしては食事の支度という意味でラマダンは憂鬱? HANA 毎年、憂鬱ですね。ああ、今年も近づいてきたって思います。 でも、ラマダン中って汚い言葉も使わないようにするし、とにかく皆が心穏やかに過ごせるようにしているので、エジプト国内の雰囲気はメチャクチャいいんですよ。ケンカもないですし。でも、結局終わった瞬間に「ギャーッ」って始まるんですけど(笑)。 ――HANAさんもイスラム教に改宗したということで、モスタファさんから「ラマダンを一緒にやろう」みたいに誘われる? HANA 絶対言わないです。ラマダンって子どものときからトレーニングが必要で、誰でもすぐできるようなことじゃないんで。最初は3時間、次は4時間とかって、徐々に絶飲食の時間を長くしていくようなトレーニングなんです。 ――普段、モスタファさんは日本食を食べる? HANA 天ぷらとか刺し身は大好きですし、嫌いな日本食ってあんまりないかな。納豆も食べられるけど、髭につくという理由で出してないくらいで。 ただ、豚肉がNGな上に卵も嫌いだし、私は牛肉のにおいがあんまり得意じゃないので、そうなると家で肉となると鶏肉一択になって。で、彼はカレーもシチューも好きじゃないんで、メニューを考えるのが本当に大変です。