パナソニックオートモーティブシステムズは家電・IT知見を集約した次世代キャビンを提案…オートモーティブソフトウェアエキスポ2024
(写真:レスポンス)
パナソニックオートモーティブシステムズ(PAS)は11月20日から22日まで開催されたEdgeTech+ 2024の特別企画「オートモーティブソフトウエアアエキスポ」で、コックピットまわりとソフトウェア開発に関する展示を行っていた。これらの技術は、どれもパナソニックグループの技術や知見の集大成ともいえるものだった。 PASの展示テーマはキャビンUX、コックピットHPC、サイバーセキュリティの3つだ。 リビングの快適をキャビンに適用 キャビンUXでは、センサー技術と制御モデルを組み合わせることで、より快適な空間、UIを実現する。ブースには3面ディスプレイとハンドルコントローラーを設置した疑似コックピットが用意され、関連技術を体験することができた。眠気覚醒ソリューションは、ドライバーの状態をモニタリングしながら眠気や集中力の途切れを検知して、ドライバーに音声や振動で注意喚起を促すもの。ステアリングセンサーは、心拍や発汗を検知し、より正確なドライバーの状態を把握する。心拍や呼吸を画像から判定する技術はあるが、接触センサーの情報はより正確な判断につながる。 次世代キャビンの提案 車内空調やシート空調は、パナソニックグループのエアコン技術を発展・応用させることが可能だ。家庭用エアコンにはサーモセンサーやカメラ画像によって、最適温度の設定、ピンポイントでの温度調整ができるものがある。キャビン内に適用すれば、エアコンをドライバーに合わせると後席の人が暑い/寒いといったことが改善できる。 このような制御が可能なのは、PASが、ヘルスケアや快適にかかわる人間のモデルデータを持っている、あるいはグループとして利用できるからだ。自動車業界も、ドライバーモニタリングシステム(DMS)導入が進み、人体モデルの研究、データ収集を進めているが、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)では運転以外の用途も重要だ。リビングやオフィスで人がどんな状態でどんな動きをすれば快適なのか、安全・健康なのかのモデルを持っていることは、これからの付加価値車両の開発にアドバンテージとなる。 Armと共同開発したGPU分割技術:マルチディスプレイ コックピットHPCは、これからのE/Eアーキテクチャに対応する高性能ECUに関する提案だ。ドメイン管理からゾーナブルアーキテクチャに変わりつつあるECU構成は、将来的には統合ECU(=HPC)に向かうとされている。このとき、統合ECUにすべてのコンポーネントやセンサーが直接つながるわけではなく、トランスミッションやパワートレインなど大きなシステムは、ECUなどインテリジェンスなデバイスを中継するはずだ。 マルチディスプレイに対応したGPUの分割技術
本文:2,537文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
レスポンス 中尾真二