資産防衛のために円以外の通貨を持つ選択肢…王道の米ドル以外にもある魅力的な通貨の選び方
中国経済の行方をどう見るかで変わる他の外貨預金
外貨預金は1種類のみ、という観点では米ドルが選択肢です。次に、複数通貨の外貨預金を考える際は、中国経済の行方をどのように考えるかで見方が変わります。 外貨預金として一定の存在感があるユーロ預金、豪ドル預金ですが、欧州・豪州の経済はいずれも中国経済の影響を強く受けます。中国経済の低迷長期化が避けられないと予想するなら、欧州・豪州の経済に対する逆風も続くと考えられ、為替に対する下押し圧力がかかります。このため、これら通貨で外貨預金を行うメリットはそれ程ありません。ただし早期に中国経済が回復すると予想するなら、ユーロ・豪ドル預金は今後通貨高の恩恵を得られる可能性があります。 中国経済の影響を大きく受けない他の先進国としては、イギリス、カナダがあります(ニュージーランドドルは豪ドルと類似の値動き)。米ドルにプラスして外貨預金を行い、更に中国経済の影響を避ける、という観点では、英ポンド、カナダドルが選択肢となるでしょう。 なお、メキシコペソや南アフリカランドなどの新興国の外貨預金も一部では人気です。しかし新興国通貨の値動きは荒く、また政治リスクもあるため、資産防衛という観点ではリスクが高くなります。
外貨預金は工夫次第でコストが抑えられる
メガバンクなどでも外貨預金の取り扱いはなされており、外貨預金は比較的身近な存在です。ただし外貨預金を行う際は、円から該当通貨に両替が必要です。この際の手数料は銀行などにより様々です。ネット銀行などは、非常に安い両替コストで外貨預金サービスを提供しています。よって外貨預金を行う際は、手数料にも注意しましょう。 外貨預金は少額から開始でき、資産運用のスタートとしても優れた金融商品です。外貨預金に興味があるなら、まずは世界の基軸通貨である米ドルの外貨預金から始めてはいかがでしょうか?
石井僚一