田原総一朗インタビュー「僕にとって『朝まで生テレビ!』は最大の趣味なんだよ」
「朝生!」の最中に静かになって、よく見たら死んでいた…というのが理想
――以前、田原さんが自身の死に際について語られた記事を拝読しました。 「今もそうです。現場で死にたいという気持ちは変わっていません。でも、鈴木プロデューサーには、『番組が終わって、“お疲れさまでした!”と言ってから死んでください』と言われています(笑)。僕にはね、才能というものがないんですよ。大学を卒業して、ジャーナリストになりたいと思って、朝日新聞、TBS、ニッポン放送、北海道放送を受けたけど、全部落ちた。全部落ちて、もうコンプレックスの塊ですよ。でもね、そのうち才能がないことを武器にしようと思ったんです。司会者でも、分からないのに分かったふりをする人っているでしょう。僕は分からないことを武器にして、とことん聞こうと思いました。面白いのはね、政治家でも経営者でも普通に専門用語を使いますよね。でも『専門用語が分からないから、普通の言葉で説明してくれ!』と言うと、難しいんですよ。非常に皆さんお困りになるから面白いです」 ――番組に出てほしいゲストはいらっしゃいますか。 「政治の問題をやるなら、各党の有力者に出てほしい。僕はね、自民党は自民党で頑張ってほしいし、共産党は共産党で、各党頑張ってほしいと思っています。だから、自民党を潰したいとか、共産党を潰したいとは全く思っていません。でも、日本を良くしていくために、今の自民党や共産党は大きく変えてほしいと思っていますし、変えていく必要があると思っています」 ――放送前のルーティンはありますか? 「スタッフとは相当打ち合わせをします。特に『朝生!』は、スタッフが何をやりたいのかを重視しています。深夜放送だった時は、夜中に起きていないといけないから、当日の午後は寝ていましたね。ほかに、必要な資料も読みます。スタッフが用意してくれる資料もありますが、準備しておいた方がいいなと思う時は資料を用意したり、直接会いに行って話す時もある。僕はね、ジャーナリストというのは、人と直接会って“face to face”で話を聞くことが大事だと思っているから、人と会うことをしない人は信用できませんね」