田原総一朗インタビュー「僕にとって『朝まで生テレビ!』は最大の趣味なんだよ」
議論が思わぬ方向にどんどんいくのが楽しい
――生放送終了後の様子を教えてください。 「放送後は、みんなで食ったり飲んだり仲がいいですよ。『昭和天皇の戦争責任』とか、他局がやらないことをこれまで取り上げましたが、やりたいことができなかったことはないです。ただね、出演者の議論が激しくなって、もう少しやりたかったという時はありました。僕が白熱した議論の途中で『ちょっと待って』と言うのは、ほとんどサービスのつもりです。あまり1人の話が長いとみんな退屈になるだろうから、あえて途中で割って入ります。切り替えることで、反対の意見を持った人も発言できるでしょう。だから、私の中では80%サービスなんです」 ――ギネス世界記録によると、司会者の世界最高齢は95歳(※韓国・テレビ音楽競演番組の司会者)とのことですが、田原さんにはその記録を塗り替えていただきたいです! 「今、僕より年上で頑張っている方は黒柳徹子さんや、作家の五木寛之さんですが、僕も頑張りたいですね。100歳まで生きられるか分からないけれど、生きている限りは頑張りたいと思います。僕はね、割と現実主義者なんで、死後がどうなるかなんてあんまり考えてないんですよ。だけど、生きている限りは頑張りたい。死んだら終わりだと思っています。『宗教』ってあるでしょう。僕は仏教に関心があるけど、あなた(※記者のこと)は関心ない? 僕はね、世界的に有名な哲学者の梅原猛さんと親しかったの。彼はデカルト、カント、ニーチェをやった後、釈迦(しゃか)の研究をして、仏教に深く関わっていて。ある時、『なんで、今さら仏教の研究をしているの?』って聞いたら、梅原さんは『田原さん、人間というのは理性だけでは生きられないから、どうしても宗教が必要なんだ』と、非常に説得力がある話をしてくれました。宗教を禁止している国もあるけれど、実は宗教を禁止すると、政治が宗教になっちゃうでしょう。共産主義以外は認めないとかね。でも、それは間違いだと思っていて。僕はやっぱり、宗教はあった方がいいと思っています。結局、人間が宗教を信じる時って、病気になった時じゃないですか。医者にかかっても治らないと、宗教を信じるようになる。僕の両親は完全にそうでしたよ。でも、今はだいたい医学の力で治るじゃない。病気が治るなら宗教はなくなるかなとも思うけど、なくならない。面白いよね。僕はね、数年で死ぬと思うけど、若い人たちはこの先10年、20年と頑張っていくでしょう。だから、彼らには期待しています。変えることはいっぱいありますよ!」 ――貴重なお話をありがとうございました。取材中に田原さんからの逆質問をいただいたこと、忘れません!!