【闘病】原因不明の目眩と嘔吐がまさか「多発性硬化症」妊娠中や出産後も再発
病気を抱えながらの妊娠・出産のリスクは?
編集部:車椅子はいつから使用しているのですか? 横道さん: 年に1~2回ほど再発をして入退院を繰り返すうちに徐々に進行してしまい、24歳でロフストランド杖に、29歳で外出時のみ車椅子になりました。車椅子になる前に第一子を産み、2年後には第二子を産みました。車椅子になったのは2人目を産んで半年後のことでした。 編集部: 出産について詳しく教えていただけますか? 横道さん: 最初は病気の遺伝などが怖かったのですが、その確率は低いとのことで私は産むことを決めました。もしも障害のある子だったとしてもいっぱい愛してあげようと思いました。病気があっても子どもは産めますし、医師に反対されない限り可能です。 編集部: 出産する上でのリスクはなかったのでしょうか? 横道さん: リスクはありました。私は二回の妊娠どちらもハイリスク妊婦として大学病院に検診へ行っていました。上の子を出産後、1歳2カ月で再発、入院しました。下の子は妊娠後期の9カ月で再発し、MFICU(妊婦のICU)に入院しました。 編集部: 妊娠・出産の間、治療はいかがでしたか? 横道さん: まず、予防薬に関してですが、妊活をしたかったのでベタフェロンを中止し、妊娠中でも可能なコパキソン、産後はテクフィデラというカプセルの飲み薬を服用しました。しかし、産後1年2カ月で再発したため、タイサブリという月1回の点滴治療になりました。 私的には1番これが自分に合っていると思っていたのですが、また再発……。今はケシンプタという予防薬で落ち着いています。始めてから今年の8月で1年です。ケシンプタは2人目が1歳になった頃に始めました。 編集部: 育児をするうえで気をつけていることはありますか? 横道さん: 子どもはいきなりぶつかってくることもあるので、注意が必要です。また、家で転ぶといつも子どもに「大丈夫?」と心配されます。頼りない母親ですが、こういう私だからこそ子どもは優しくたくましくなるのではないかと思いますし、そうなって欲しいです。 私のように難病があっても妊娠・出産はできると思うのですが、まずは自分が第一であることを忘れないでください。私が再発時、入院が嫌で拒否していたら、友人から「親が元気でないと子どもが1番困るんだよ」と言われました。 それからは子どものためにちゃんと無理ない程度に元気にならなきゃと思うようになりました。