真田広之のハリウッド映画出演作5選!
船長のカネダ役を熱演! 『サンシャイン2057』
真田広之がLAに拠点を移し、ドラマ『SHOGUN 将軍』(2024年)での大成功に到達するまで、じつに20年を要した。その間の苦労は計り知れないものがあるが、特に最初の10年は、出演作にも“模索”が感じられる。その時期のチャレンジングな精神が伝わってくるのが本作。舞台はタイトルにあるように、2057年の未来。太陽のパワーが衰えたことで滅亡の危機を迎えた人類が、核爆弾によって太陽の活動を復活させようとする。究極のミッションを受けたのは、宇宙船イカロス2号に乗り込んだ8人。その一人で、船長のカネダ役を託されたのが真田広之だ。 設定はかなり突飛なSF作品だが、宇宙船内の人間ドラマや、行方不明になっていたイカロス1号との遭遇、二転三転する船内の状況、思わぬ犠牲者など、描写と展開はリアリティを重視し、緊張感が途切れない作り。精神科医や植物学者など乗組員の8人はエキスパートぞろいだし、まだそこまで多様性が叫ばれていない2007年の作品ながら、8人のメインキャストに真田を含めてアジア系が3人と、時代を先取りした感もある。監督は『トレインスポッティング』(1996年)で脚光を浴び、本作の翌年の『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年)でアカデミー賞を受賞するダニー・ボイル。脚本が『シビル・ウォー アメリカ最後の日』(2024年)を手がけたアレックス・ガーランド。そして共演がキリアン・マーフィー、ミシェル・ヨー(2024年、2023年のオスカー受賞者)と、いま考えると超豪華なメンバーが集結した一作だ。
ジャッキーとエッフェル塔でバトル! 『ラッシュアワー3』
アジアからハリウッドへ進出したスターとして、真田広之の“先輩格”なのがジャッキー・チェン。そのジャッキーもハリウッドでの初出演作、『バトルクリーク・ブロー』(1980年)では、本来の彼らしさが出せず消化不良に終わるなど困難にぶつかったが、『ラッシュアワー』(1998年)が大ヒット。クリス・タッカーとの刑事コンビが人気となってシリーズ化された。その3作目に真田が参戦。ジャッキー演じるリーの孤児院時代の兄弟(血縁ではない)ケンジ役。中国マフィアともつながる暗殺者であり、作品内では悪役の立ち位置ながら、追う側のリーとの関係は複雑だ。 シリーズ前2作より、アクションはやや抑えめなのだが、メインの舞台がパリということで、ジャッキーと真田のエッフェル塔でのバトルが最大の見どころ。公開当時、両者のファンを熱狂させた。2人の共演は、正式にはこれが初めて。1982年に真田が主演した日本映画『伊賀忍法帖』にジャッキーがカメオ出演したと彼が自伝で語っているのだが、どこに映っているのか確認できた人はいない。いずれにしても香港と日本を代表するアクションスターのガチ対決が、ハリウッド映画で実現したのは感慨深く、これで真田の国際的知名度もアップ。同じく当時、海外進出に精力的だった工藤夕貴も短い登場ながら怪演をみせている。