ベトナム、原発導入再開…「2030年に電力不足、安全保障にリスク」
ベトナムが電力難を解決するために原子力発電導入を再開することにした。安全性議論から新規原発開発を中断して8年ぶりだ。 ベトナム産業通商省は18日、ベトナムの最高意思決定機関である共産党政治局が原子力発電を再開することに決めたと明らかにした。産業通産省は国家電力開発計画(PDP8)上の主要電力源を検討した結果、2026年~2030年の国家電力網の電力容量が不足するリスクが相当にあり、これはエネルギー安全保障に潜在的脅威になりかねないと説明した。 昨年5月に承認された国家電力開発計画は全国の発電可能容量を昨年末の8000万キロワットから2030年まで1億5000万キロワット以上に増やすことを目標にする。ベトナム政府は風力と液化天然ガス(LNG)を通じて電力を補強する計画だったが、規制と費用などの問題で困難が予想された。 産業通商省は原発建設と開発を容易にするために電気法を改正しなければならないと勧告した。また、小型原発を含んだすべての規模の原発開発は共産党と国が定めた方向に合わせるべきで、すべての投資は原子力法を順守しなければならないと明らかにした。安全と核廃棄物管理懸念に対し産業通産省は原発の建設・運営・解体過程と安全関連規定が原子力法と関連法律に詳しく明示されていると明らかにした。 ベトナム政府は小型モジュール原発(SMR)の導入も検討中だ。SMRは事前製作したモジュールを組み立てて一般原子力発電所より建設期間と費用を大きく減らすことができる。ロイター通信は「ベトナム政府が数年間原発開発再開を検討しており、ロシア、韓国、カナダなどのSMR導入の可能性を議論してきた」と伝えた。 ベトナムは2009年に原発2期開発計画を承認し2030年までに合計14基の原発を建設する計画を立てた。だが2011年に日本の福島原子力発電所事故を受け安全性議論が大きくなると、2016年に原発開発を全面中断した。その後水力・火力発電に多くの発電量を依存してきたベトナムは深刻な電力難を経験した。昨年夏の猛暑と日照りで電力消費が急増したと同時に水力発電使用可能量が急減し、一部地域で電気が途絶え工場稼動が中断される影響があった。