【40代・50代「更年期治療」をアップデート!】更年期の治療、よりよく受けるためのポイントは「患者力」。医師とのコミュニケーション、どうしたらいい?
「あまり話を聞いてくれない」という不満も多いが。 「それには、私たち医師側の言い分もあって…。例えば、延々と30分しゃべり続ける患者さんもいるんですよ。 保険診療では一人の枠がだいたい10~15分。そこで30分間聞いてほしいというのはなかなか難しい。だから、自費で30分話をちゃんと聞いてくれるような案内が、ホームページに載っているクリニックもあるわけです。話は聞いてほしいけど、お金はあまりかけられない。それも普通。だからずっとギャップが埋まらない。 でも、保険診療でそんなに時間をかけていたら、日本の女性医療は一部のボランティア精神にあふれた先生だけがやることになる。効率の悪い医療なんです。それが更年期医療の苦しみ。更年期問題の解決を1から10まで保険でやるのは所詮無理、というのが現状なんですよね」
患者力を高めて、医師とよりよい関係を築いて!
「だからこそ、婦人科を受診するときにはちょっと気をつけていただきたいことがあります。 更年期症状がつらくて『先生、助けて~』という状態の人が多いんですが、たいていは症状がひとつでなくいくつも重なっています。保険診療という制約の中でやっているので、10個解決したいと言われても10個いっぺんには無理。 『これだけは改善したい』を、2つ3つは言えるように整理してきてもらえるといいですね。メモに箇条書きにしてみるといいでしょう。何枚ものレポートを書いて渡されるとそれはそれで読むのに時間がかかるので、簡単でOK。 初めて行くところなら、まず予約のときに『診察時間は何分くらいですか? 先生とは何分お話しする時間がありますか』などと聞いてもいいと思います。『できればHRTをやりたいんですが、対応していますか?』なんていう聞き方もいい。『更年期かどうか調べてほしいんですが』でも、もちろんいいです! ただし、初診の予約で『腟炎なので診てください』と聞いていたのに、受診の日になったら『更年期の相談』に○がついていたりすると困ります。こちらは5、6分で終わるかなと思っていたのに、『ええ~~っ』となります。30分かかっちゃう」 そして、薬を使いたいか使いたくないか、それはとても重要だそう。 「特にHRTは説明にも時間がかかるし、必要な検査もあります。もし、自分の中である程度気持ちが固まっていれば、予約のときに言ってくださるととても助かる。 『症状がつらいので、HRTの相談をしたい』とか。『更年期の症状だと思うが、治療法に迷っている』でもいいんです。そういう予約の仕方だと話が早いし、スタッフも準備ができます。 具体的にわからなくても、願わくは『私もHRTが必要かもしれない。私はしたいのかな、したくないのかな』くらいは自問自答しておいてもらえたらうれしいです」