「もみじ?あんなダサい高齢者マークつけられん…だと!」高齢ドライバー父の発言に呆れる40代息子。それでも免許が奪還できない切実すぎる理由
高齢者ドライバーの事故が起こるたび、取り沙汰されるのが免許の返納についてだ。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「警視庁の発表によると免許保有者の約2割が、65歳以上の高齢者ドライバーだと言われています。もちろん事故を起こしているのは高齢者だけではありませんが、別の世代との大きな違いはハンドル操作のミスやブレーキとアクセルの踏み間違いなど、身体機能や認知機能の低下が大きく関わっている点でしょう。令和3~4年はわずかですが上昇傾向にあります。これも高齢化社会の抱える問題と言えるですね」。 若い命が奪われる事故も少なくない。 「事故を起こしたドライバーの方も大きな傷を追うことになります。長年の経験から、自分は大丈夫だと思う気持ちもわからなくはありません。さらに地方となると車社会で、ないと生活が成り立たないという事情もあるでしょう。それでも一度考える、その気持ちを持ってもらいたいですね」。 現在の日本では、年齢による免許の返納は義務付けられていない。今回は、そんな高齢者の運転に危機感を感じていると話すある男性に話を聞いた。 ----------------------------------------------------------
冨山蓮二さん(仮名・54歳)は、高齢者たちの車の運転について疑問を持っている1人だ。 「実際に近所で事故を起こした高齢者の方も見ていますし、うちの父親も先日、自宅のガレージに入れるときに右後ろを擦りました。小さなミスではありますが、今までとは違うと改めて感じましたね。年齢は79歳。次の更新は見送ろうと家族で迫っていますが、本人はまるでその気はありません」。 田舎では確かに車がないとやってはいけないのも事実だ。 「うちの場合は僕も近所に住んでいるので買い物は一緒に行こうという話で今進めていますが、そういう環境にない家庭もあるので本当に難しい話だなと思います。田舎は人口不足なので、公共交通機関はどんどん縮小気味ですし…」。 それでもスーパーの駐車場などでひどいマナーを見ると憤りを感じるそう。 「車椅子専用に堂々と停めたり、駐車禁止もお構いなし。突然スピードを落として、ノロノロ運転をするなど、目に余る行為ありませんか?高齢者だけじゃないですけど、確率多いと感じます。そういう人に限って、もみじマークもつけていないし…」。 もみじマークとは高齢者運転標章のことである。蓮二さんの父もこのマークを毛嫌いしていると話す。 「もみじマークは努力義務です。なんで義務化にしてくれないんだろう?と常々疑問に思っています。正直、僕も運転するのでわかりますが、つけてくれていた方が周りとしてはありがたいですよね。幅寄せすると罰金とかありますけど、それでも気を使って運転するじゃないですか。でもあれをつけたがらないんですよ、親父たち世代は…」。