高市氏の「電波停止」発言に対する抗議会見(全文3・質疑応答1)
なぜ放送局が意味不明な発言におびえるのか?
ビデオニュース・ドットコム:すいません、ビデオニュースの神保です。青木さんだけってわけじゃないんですけど、放送法4条の解釈がもう間違ってることが明らかなわけじゃないですか。今さらもう議論の余地はないわけですよね、ここにはね、憲法21条があるわけですから。 で、あればね、僕が聞きたいのはなぜ放送局がこんなまったく意味不明な発言におびえるのかここまで、あるいは唯々諾々とそうした意向に従った番組づくりになっちゃうのか。つまり蹴飛ばせばいいだけでしょ。で、むしろこういうこと言う人間が出てきたら、徹底的にもう今まで以上に政権批判を厳しくしてね、停波ができるんならしてみろと、いうふうにならずに、なぜか、おまえ、こんなことで停波されてどうすんだって、会議で難しい企画を出すと言われるっていうふうになっている、根幹にあるものっていうのが何かっていうのは、なかなかテレビの外にいる人分かんないんですよ。けんかすりゃいいじゃんと、なんで従っちゃうんだと、何が怖いんだと。 で、もちろん日本は免許が直接政府から出てるっていう先進国の中では珍しいっていうか、たぶん唯一の国なので、免許で握られる、停波みたいなことができるっていうのは1つあるんでしょうけど、本当にこれって停波が恐ろしくてそういうふうになってるのか、それとも何か皆さんが見るにつけ、別になんかその理由があって、そんななんか、あの程度の発言でね、萎縮効果が。 これ、安倍さんがね、そんなので萎縮するなんてのは情けないって言うんだけど、それはもう正論なわけですよ、それは。言っといて何言ってんだってとこはありますけれども。でもそれ正論なわけですよ、そんなの萎縮する必要ないじゃないか、そんなことでね、っていう議論は当然あると思う。そこをちょっとぜひお話をいただきたいなと思います。 青木:そんなに難しい話、僕には答えられないんですけれども。そんなにきれいごとばっかりじゃないんでしょう、おそらくいろんな意味でね。テレビ局だって企業ですし、それは新聞社もそうだし、それから雑誌社も出版社もそうですし、それぞれの企業の現場の中でいろんな考えの人がいて、それは政権寄りの人もいたりとか、いやそうじゃないんだ、っていう人たちもいたりとかして、それはそんなにきれいごとじゃいかないなっていうのは、ここにいらっしゃる皆さんも僕自身も同じように、僕もフリーになりましたけど、組織で働いてるんで、みんなみんな、それぞれ日々しょうもないことから、非常に難しいことまで葛藤しながら仕事すると思うんですね。その集積体がおそらく神保さんがおっしゃってるような、なんでもっと戦えないんだっていうような状況になってしまっているというふうに思うんですね。 つまり、でもやっぱり今日僕ここに来るときには、ほとんどその憂鬱な気分で来たんですけれども、別に一緒にいらっしゃるから、別にごまするわけでもなんでもなく、その特に岸井さん、それから田原さん、鳥越さん、この3人の、失礼をあえて顧みず言えばもう老体というか、おじいさんというか、僕にとってはもう父親ぐらいの世代ですけども、僕、鳥越さんのテレビ番組、岸井さんの原稿、あるいは田原さんの番組っていうのを見てきて、半ば反発したりとか違うだろと思ったりとかってこと、いっぱいあったんですけれども、でも今おっしゃられたことはこの仕事する上での本当に原理原則だなという気はしました。 僕が新人で新聞記者になったころに、こういうことを、役員の連中なんかから言われたようなことをもう1回聞けて、なんか僕は本当にすごくうれしかったんですね。つまりそれぞれの現場でいろんなきれいごとじゃ済まないことはあるとは思うんだけれども、岸井さん、田原さん、鳥越さんがこの業界の最長老が言ったことっていうのを僕も胸に刻んで、またあしたから物を書いたり発言したりというふうに思いました。なんか神保さんの質問の答えにはなってませんけれども、ちょっと僕、取りあえずこれで仕事があるんで、退席さしてもらいます、ありがとうございました。 岸井:いいですか。時間がだんだんね、あれになってきますけども、今の話に直接の答えになんないかもしんないけど、私非常に今ね、大枠で気になるのは、アメリカの大統領選、あしたスーパー・チューズデーですよね。それで今日は民主も、私もワシントンにいたことがあるんで、本当に今回驚いてるのはサンダースとそしてトランプのあの支持率の背景が、やっぱり今のアメリカが抱えている、社会が抱えている格差の問題っていうことで、1つのキーワードがエスタブリッシュメントっていう、既成政治家に対する反発、これが大きく今の大統領選の根っこで動いてますよね。 だから時代によってその国の空気っていうのがあるんだと思うんですけど、ご存じのとおり今日本が一番心配してるのは、一強多弱、西高東低と言われる中で、自民党は今、官邸に対してなんにも物が言えない、こんな自民党を見たの初めて、本当に初めて、われわれの取材経験で言ってね、私ももう40年以上、50年近い、自民党、それも保守本流をずっと取材してきたっていう立場ですけどね。こんなになんで物言えなくなるの。聞いてみれば、自分に損するからですよ。あした損することがあるからですよ。つまり長い物には巻かれろなんですよ。 これが日本人が一番悪いところなんですよね。でもそれがひょっとすると、だんだんそういうのが広がってきてるのかもしれない、政治の世界だけじゃなくなってるのっていうね。これを私は一番心配してますね、ひょっとするとってことですよ。