東京五輪1年延期は中断NBAの日本版ドリームチーム候補、八村塁、渡邊雄太らにどんな影響を与えるのか?
渡邊は1月下旬、その時はまさか延期になるとは思ってもみなかった五輪に向けて、「リーダーの一人としてやっていかなきゃいけないので、リーダーシップの部分はワールドカップの時以上に発揮しなければならない」と話し、日本代表の課題について「シュートの確率をもっと上げることと、(2019年ワールドカップでは)競争心というか、そういう気持ちの部分で負けていたところがある。開催国枠として出るんですけど、力がないと出られないですし、自信を持ってやっていくことが大切だと思います」と話していた。 また渡邊が話した次の日、馬場に「Gリーグのシーズン中、五輪を意識することはあるか」と問うと、「プレータイムが少なかったりした時とかは、そこでふてくされるんじゃなくて、何を今やらなきゃいけないかというところで、やっぱり東京五輪で結果を残すことが一番なので、そこに行くにあたって一日たりとも無駄にできないという思いがある。そこは本当に自分を駆り立ててくれる原動力になっています」と、挫けそうになった時でも五輪へのモチベーションが励みになっていることを明かした。 そしてアメリカで戦う中で見えてきた2019年ワールドカップでの日本の課題について「フィニッシュ(シュートを決めきる)の差かなというのがあって、(Gリーグの選手は)ファウルを受けても死にもの狂いで決めにきますし、そういう気迫というのが今の日本には足りないんじゃないかなと思う。ちょっと受け身になっているというか…。今こうやってGリーグにいる選手らのプレーとかを見て思うので。彼らは本当に負けてたまるかの精神でやっている」と分析した。 同ワールドカップ最終戦となったモンテネグロ戦では、日本は敗れたものの八村不在の中、渡邊が34得点とチームを引っ張った。 前戦のニュージーランド戦で30点差と大敗を喫したあとで、汚名返上を誓った試合で覇気を見せた渡邊について馬場は、「やっぱり点数を取るというところで、いくらディフェンスを頑張ってもチームを勝利に導くためには点数で上回らないといけないので、そこは本当に彼がアメリカに来て学んだことだと思います。僕も現時点で点数を取らないとプレー時間は伸びないというところは実感しているので、そういったところは彼の気迫にはアメリカ人のようなものを感じましたし、(アメリカでの経験は)気持ちといった部分で自分もそうですし、彼にも影響を与えたんじゃないかなと思います。そこに今僕も入って揉まれているのは凄くいいこと」と話していた。 1年のプレップスクール、4年の大学を経てNBA/Gリーグ2年目で、守備力を武器としながらも相手の力に負けない得点力を身につけた渡邊は、わずか数分の出場であってもNBAのコートに立った時の風格が1年目とは比べものにならないくらい増している。