フィンランドで失業するも作家として独立。週末北欧部chikaの仕事術【HOW I WORK】
あえて何もしない日をつくることの大切さ
──フィンランド人の考え方や価値観に関して、日本人にもすすめたいものを教えてください。 シンプルですが、「空っぽの日」を持つことです。 私のフィンランド人の友人は、例えば10日間の休みがあったとしたら、最初の4日間は何もしない。 私の場合は、せっかくの長期休暇なのだからと、スケジュールを全部埋めてしまいがちでした。でも、フィンランド人の友人を見て、何の予定もない空白の日もすごく大切なことなのだとわかりました。 何もしないことを楽しめるのも、心の豊かさなのです。 もう1つ、フィンランドを含めヨーロッパには、ギャップイヤーという制度があります。 高校を卒業してから、何をしたいのかがわからないとき、とりあえず大学に行くではなく、1年間の猶予期間を持ちます。その間に、世界を旅してみたり、インターンシップをしてみたり、いろんな人と会ってみたりして、自分がやりたいことを見つけてから専攻を選ぶものです。 これは、すごく素敵だなと思います。私の場合、何がやりたいのか分からなくても、「空白期間はよくないのでは」と思い、とにかく前に進む道しか考えていませんでした。転職を考えたときも、「ブランクはマイナスになってしまうのでは」という不安がありました。 フィンランドに渡る前は、週末の時間を使って、副業や学習を含め様々なことに挑戦しました。思い起こせば、これは「週末ギャップイヤー」だったと思います。 やりたいことがわからないから、ある程度の期間をかけて探す。これが、日本でも広がればいいなと思いました。 >> HOW I WORKをもっと読む
鈴木拓也