野菜ジュース〝機能性〟前面へ 飲料メーカー、細分化するニーズに対応
飲料メーカーが、1日に必要とされる野菜350グラム分を1本で摂取できる飲料商品を強化している。野菜を手軽に取れるのはもちろん、機能性成分や健康促進に期待できる効果を具体的に表示し、多様化、細分化する健康志向に応える。 厚生労働省は、1日の野菜摂取目標量を350グラム以上と定めるが現状(2019年度)は281グラムにとどまる。目標達成のハードルを下げようと近年、カップスープやパッケージサラダなど、1杯・1袋で1日分の野菜が取れる、と訴求する商品が増えている。 代表格が、野菜飲料だ。「1日分の野菜」が発売20周年を迎えた伊藤園は今夏、歴史あるブランドの季節限定商品を発売した。「1日分の野菜 濃厚トマトMIX」は、「トマト4個分のリコピン」と、具体的な機能性成分の名前と量を表示。1カ月余りで200万本を売り上げた。 26日には、1日分の鉄分(6・8ミリグラム)が取れる「鉄分野菜」も発売した。ニンジン主体に1食分の野菜(120グラム)20種と、プルーンなど果実7種を使用。ビタミンB12や葉酸を手軽に取れる栄養機能食品だ。広報部は「健康ニーズが多様化し、価値を明確に打ち出した商品が求められている」と話す。
「免疫ケア」新しく提案
キリンビバレッジは、機能性表示食品「キリン おいしい免疫ケア」シリーズを9月3日に発売する。「野菜1日分」は、トマトとニンジン中心に野菜31種をブレンド。さらに、キリンの独自素材「プラズマ乳酸菌」を1000億個配合した。 同社によると、機能性野菜飲料カテゴリーは20~23年の成長率平均が約36%と高水準で推移。キリンホールディングスは「伸長を続ける野菜飲料カテゴリーに、『免疫ケア』という新しい価値を提案する」と話す。
日本農業新聞