112兆円予算案を閣議決定 賃上げに重点、国債費は過去最大
政府は22日、2024年度予算案を閣議決定した。一般会計の歳出(支出)総額は過去2番目の規模の112兆717億円。防衛と社会保障に加え、借金の返済や利払いに充てる国債費も過去最大に膨らむ中、限られた予算を岸田政権が力を入れる賃上げ促進に重点的に振り向けた。歳入(収入)の柱の税収は過去最高を見込むが、3割は新たな国債発行で賄う。借金頼みから抜け出せず、綱渡りの財政が続く。 歳出総額は過去最大だった23年度当初から2兆3095億円減らし、12年ぶりに前年度を下回った。新型コロナウイルス禍対応で急速に膨らんだ歳出を「平時に戻していく」との政府方針に沿った形だが、急な出費に備える予備費を4兆円削減した要因が大きく、歳出抑制は進まなかった。政府は年明けの通常国会に予算案を提出、3月末までの成立を目指す。 歳出が最も多いのは37兆7193億円を計上した社会保障費だ。高齢化に伴って8506億円増えた。次が国債費の27兆90億円で、金利の上昇基調を反映して1兆7587億円増やした。