これが宿坊…?アーティストSHETAとコラボした高知のお寺がキュートすぎる!
当時めちゃくちゃ批判された575枚の天井絵
実は窪住職がお寺とアートのコラボに着目したのには理由があります。「1978年に先代の父と母が、本堂の天井を575枚の絵画で彩る『天井絵』を思い切って始めたのですが、私もそれに大きな影響を受けてますね」下は10歳から上は80歳まで、プロ・アマ問わず公募で集まった400名の方々が描いた絵画が、いまも美しく天井を埋め尽くす光景は、圧巻のひと言! 「1978年当時は『お寺にふさわしくない』とめちゃくちゃ批判されましたけど、いまはまちの名物としてすっかり馴染み、皆さんにめちゃくちゃ褒めてもらえるんです。いい意味でも悪い意味でも“人間の価値観は時代によって変わるもの”と子どものころから実感して育ったので、今回のSHEATA君とのコラボもためらいはまったくありませんでした。もう少し批判が来るかな? と思ったけど(笑)お遍路さんたちも想像以上に好意的で……もっとこうしたら? なんてアドバイスをくれるほどです」 ■「日本文化の伝統が消えるのは簡単かもしれないけれど…」 天井絵の本堂は増築予定。そこには黄金に輝く5仏が安置されるという。「いま日本では仏様をつくれる伝統工芸の職人さんがどんどん減ってきています。この黄金の仏様は四万十川ヒノキを掘って上から漆を塗り、最後に金箔を押してつくるのですが、漆のおかげで仏様の表面が老朽化し剥落しても中身はしっかりと残る。つまり木を新しい命、イコール仏様として生まれ変わらせるには漆が鍵になっているんです。しかし今年は漆塗りが盛んな能登半島の輪島が被災し、後継者問題はより深刻化しています」 「せっかくならお寺として、日本文化の継承にもひと役買いたい。だからいま、この技術が1000年、2000年後も残るものにしようとこだわって仏様をおつくりしているところです。伝統が消えてしまうのは簡単ですけど……続けることは難しいですからね」 窪住職のように、古きものと新しいものの両方に敬意を払いながら旅の魅力を創造するユニークな人々に出会えるのも、ローカルを訪れる魅力かも! そう感じた旅となりました。「どっぷり高知旅キャンペーン」の特設サイトでは、オススメの旅先や旅のスタイルの提案などを随時発信中。のぞいてみればディープな冬旅のディスティネーションが見つかるかもしれません。 information 四国霊場 第藤井山 五智院 岩本寺 住所:高知県高岡郡四万十町茂串町3-13 アクセス:高知龍馬空港から車で約70分、JR窪川駅より徒歩約9分 writer profile Yuria Jo 城リユア じょう・りゆあ●大分県出身。出版社の情報誌編集部などを経て独立。旅やライフスタイルについて執筆。ニュースメディアでインタビューやノンフィクション取材、旅メディアで動画制作も担当。趣味は飲み歩き。 【コロカルニュース】とは? 全国各地の時事ネタから面白情報まで。コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。