サムスン電子が異例の謝罪-AIブームも低調な決算、半導体出遅れ
(ブルームバーグ): 世界最大のメモリーメーカー、韓国のサムスン電子は8日、7-9月(第3四半期)の決算速報値が期待外れだったことを受け、謝罪文を公表した。潜在的な危機に対応していることを異例ながら認める形となった。
半導体部門の責任者に新たに起用された全永鉉氏は発表文で、サムスンは自社の組織文化やプロセスを見直すと表明。「短期的な解決策に頼るのではなく、長期的な競争力を強化することに集中する」とした上で、「今は試練の時だ」と指摘した。
7-9月の営業利益は約9兆1000億ウォン(約1兆円)と、市場予想の11兆5000億ウォンに届かなかった。業績連動ボーナスの引当金に関連する一過性のコストが利益の重しになった。一方、売上高は79兆ウォンにとどまり、予想の81兆5700億ウォンを下回った。
全氏は「サムスンが直面している危機について語る人がいるほど、われわれは技術面の競争力を巡り懸念を招いている」とし、「この事業のリーダーとして、われわれはこの点に関して全責任を負う」と述べた。
主要市場で苦戦を余儀なくされているサムスンの株価は年初来で20%余り下落。人工知能(AI)開発向け米エヌビディアの半導体に使われるメモリーでは同業のSKハイニックスに後れを取り、半導体の受託生産では台湾積体電路製造(TSMC)に対して進展が乏しい。
原題:Samsung Issues Rare Apology for Weak Results During AI Boom (1)(抜粋)
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Yoolim Lee