耐震基準強化前の住宅6割 能登3市町、被害拡大か
国の「住宅・土地統計調査」を基に、現行の耐震基準が導入されていない1980年以前に建てられた住宅の割合を共同通信が分析したところ、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市は65%で、データのある全国1086市区町村の中で最も高かったことが2日分かった。能登町は61%、輪島市も56%。現行基準前に建てられた家が6割前後あり、甚大な被害につながった可能性がある。背景には人口減少や高齢化があり、国土交通省は高齢世帯の耐震改修促進など対策を検討する。 分析したのは2018年実施の住宅・土地統計調査。全ての市と、人口1万5千人以上の町村が対象だった。最新版の調査は23年秋に行い、結果は今後公表される。 18年調査で61%の能登町は2番目。次いで熊本県山都町の59%、高知県室戸市の56%、輪島市は5番目だった。全国で最も低いのは、子育て世帯の転入も多い茨城県守谷市の6%だった。 上位20市町の65歳以上の高齢化率(20年国勢調査)を調べると、52%の珠洲市を含む5市町が50%台。