経団連次期会長に日本生命の筒井会長、金融機関から初
(ブルームバーグ): 経団連が十倉雅和会長(74)の後任に副会長で日本生命保険会長の筒井義信氏(70)を充てる方針を固めた。会長職は大手製造業出身者が務めることが慣例となっていた。金融機関から選ばれるのは初めてとなる。
2025年1月の会長・副会長会議で内定し、5月末の定時総会で正式に就任する。筒井氏は11年に日本生命社長、18年から会長を務める。経団連では副会長として行政改革推進に取り組んできた。政府がグリーントランスフォーメーション(GX)に向けて官民投資を促すために設立したGX推進機構の理事長も務める。
民間企業の意見を政府に提言する経団連の会長は「財界総理」とも呼ばれ、産業政策への影響力を持つ。製造業が長く国際的な競争力を持っていた日本ではトヨタ自動車や新日本製鉄(現日本製鉄)会長など重厚長大系の企業からの輩出が中心で、歴代会長で例外は経団連事務局や東京電力しかなかった。
経団連ではこうした慣習に囚われることへの問題意識があった。筒井氏は国内最大級の民間機関投資家でもある日本生命で培った資本市場に対する知見をもとに、いかに産業競争力を高められるかが問われる。
--取材協力:佐野七緒.
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Koh Yoshida