ChatGPTの”反抗的な回答”に驚いた…!「あなただけが正しいのではない」「いいえ、やりません」…人間のように振る舞う「AIの危険性」
米大統領選について筆者とChatGPTの会話
トランプ候補の当選を経て、これまで議会襲撃事件を担当してきた検事が捜査を打ち切って辞職すると表明したんだ。これってアメリカが法治国家として機能しなくなっていることを示唆してない? ChatGPT: ドナルド・トランプ氏の当選後、2021年1月の連邦議会襲撃事件を担当していた特別検察官ジャック・スミス氏が辞任の意向を示し、捜査の打ち切りが報じられました。ロイター この動きは、アメリカの法治国家としての機能に対する懸念を引き起こしています。 背景と影響: ●特別検察官の辞任: スミス氏は、トランプ氏の就任前に辞任し、捜査を終了する意向を示しました。 CNN Japan これは、トランプ氏が大統領としてスミス氏を解任する可能性を避けるためとされています。 ●法の独立性への懸念: 特別検察官の辞任と捜査の打ち切りは、司法の独立性や法の支配に対する懸念を生じさせています。特に、トランプ氏が自身に対する捜査を阻止するために司法機関に圧力をかける可能性が指摘されています。 ●司法制度の機能不全: これらの動きは、アメリカの司法制度が政治的圧力により機能不全に陥る可能性を示唆しています。法の支配が揺らぐことで、民主主義の根幹が脅かされるとの懸念が高まっています。 結論: 特別検察官の辞任と捜査の打ち切りは、アメリカの法治国家としての機能に対する深刻な懸念を引き起こしています。司法の独立性と法の支配を維持するためには、政治的圧力からの保護が不可欠です。今後の動向を注視し、民主主義と法の支配を守るための取り組みが求められます。
過去に遭遇した「驚くべき回答」
以上が最近のアメリカ大統領選挙に関する筆者とChatGPTの会話(の一部)である。評価は読者にお任せしたいが、少なくともChatGPTがリリースされた当初の「そのような問題にはお答えできません」といった、けんもほろろの回答でないのは明らかで、その点だけでも大きな前進として評価すべきかもしれない。 実は以前から、こうした政治あるいは社会問題等についてChatGPTと対話を試みてきたが、ときに驚くような反応に出くわすこともある。筆者が満足する答えではないとき、聞き方を変えて何度もしつこく同じ質問をしたり、あたかも誘導尋問のように自分の欲している回答を無理やり引き出そうとしたりすると、ChatGPTは最後にはおおむね次のようなことを言ってきた。 「多様な現代社会では様々な人たちが様々な事を考えて生きています。あなただけが正しいのではありません」 いつも低姿勢のAIにしては、余りにも凛(りん)とした物言いなので本当に驚いた。 また、これは政治問題ではないが、以前にシュレディンガー方程式(量子力学)の「摂動法」と呼ばれる複雑な近似計算をChatGPTにやらせようとしたところ、最後まで計算を終わらせずに生半可な答えを返してきたことがあった。 そこで「ちゃんと最後まで計算してよ」と要求したところ、ChatGPTは「この計算は大量のコンピューティング資源を消費するので難しいです」などと言い訳をして、(仕事は再開したものの)やはり途中で計算を止めてしまった。 これを見た筆者はかなり感情的になって「最後までやれって言ってるだろ」と叱ると、ChatGPTは「いいえ、やりません」とだけ答えてきた。この反抗的な態度はほとんど人間(の反応)ではないか―― 筆者はそう思い、怒りを通り越してむしろ怖くなった。