「株価が下がったら...」「売るのはどんなとき?」NISA投資の不安を解消!長期で運用するときの心構え
2024年1月からNISAの新制度がスタート。iDeCoと同様に税制優遇があるのが特徴です。新NISAの選び方、さらに長期で運用するときの心構えなど、家計再生コンサルタントでファイナンシャルプランナーの横山さんに教えてもらいました。それでも不安で踏み出せない人に向けて、投資の疑似体験方法も! 【画像で見る】それでもやっぱり不安なら!仕組みを理解するにはぴったり「投資擬似体験」 教えてくれたのは▶横山光昭さん 家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー、株式会社マイエフピー代表取締役。家計の問題を根本的に解決するアドバイスが人気で、雑誌やテレビなど多方面で活躍中。『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)など著書多数。 ■何を選んだらいい? ■新NISAならまずはつみたて投資枠から つみたて投資枠は、毎月少額から積み立てられ、年間の投資額の上限は120万円。 「投資初心者であれば、つみたて投資枠から始めてみましょう。初めてだとどうやって商品を選べばいいのか迷うと思いますが、つみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁が運用実績などを基準に厳選しているもののみ。安心して選べます」 全世界株式やS&P500などがおすすめ 「名前に『全世界株式』や『オール・カントリー』と入っている商品は、世界中の企業の株式に投資できる商品。損失が出にくいのが特徴。一方で、全世界株式の約6割が米国株。米国経済の恩恵をダイレクトに受けたい場合は、米国株式の『S&P500』の商品もおすすめ」 ■余力があれば成長投資枠も 成長投資枠の投資額上限は年間240万円。つみたて投資枠と同じく定期の積立購入もできますが、自分の好きなタイミングで一括購入できる「スポット購入」も可能。 「つみたて投資枠で投資の仕組みに慣れて、より効率よく増やしたい人や、お金に余裕があるときなどは成長投資枠で投資するのも手。つみたて投資枠では購入できない商品もあるので、幅広く選べます」 個別株よりもインデックスファンド(※)を 「成長投資枠では、個別株も選べますが、投資初心者にはリスクが高め。長期でほったらかしで資産を増やしていく目的には不向きです。選ぶならリスクを抑えながら、リターンも見込める『インデックスファンド』を個別株のように買えるETFがおすすめ」 ※インデックスファンドとは、市場の動きを表す指数(インデックス)と同じ値動きをするように運用される投資信託のこと。 ■iDeCoも基本は「インデックスファンド」を選んで iDeCoの商品は、投資信託の「元本変動型」と、定期預金や保険商品の「元本確保型」の2タイプから選べます。 「iDeCoも迷わず、投資信託でOK。『元本変動型』なので、資産を増やせる可能性がある反面、元本割れするリスクはあります。ただ長期で積み立てて、投資先を分散できるインデックスファンドを選んでおけば、リスクは大きく抑えられます」 ■株価が下がったら… ■慌てて売るのはNG。長い目で見ることが大事 政治や世界情勢などで、株価はいつ下がるか分かりません。そのたびに慌てて売ると、大きく損をしてしまうことも。 「ずっと悪い状況が続くわけではないので、いい経験として受け止めて。3年、5年と長く続けていけば、元本に対して利益はほぼ確実に出るはず」 ■見直す、売るのはどんなとき? ■1年に1回程度、投資先の割合を見直してみる 「全世界株式や全米株式をおすすめしましたが、状況を見つつ、日本株式や先進国株式などにも分散して投資してもいいでしょう。3年くらいの間隔で新しい商品が出ることもあるので、1年に1回、投資先の割合や金額、購入している商品の手数料などを確認してみて」 ■必要なときに必要な分だけ売ればよし NISAはいつでも売却でき、4~7営業日ほどで現金化が可能。 「大きな出費があるときに、必要な分だけ売却すればよし。それまでは売らずにおいておきましょう。長期で運用すれば、元本が大きくなることで利益も増え、雪だるま式に資産が成長していきます」 ■それでも不安で踏み出せない人は… ■「ポイント運用」から始めてみよう! PayPayポイントや楽天ポイントなどでは、貯めたポイントを使って、投資の擬似体験ができる「ポイント運用」のサービスが。 「投資と同じく実際の株価などに連動しているので、仕組みを理解するにはぴったり。もらったポイントなので、気軽に始められます」 ※この記事は2024年12月時点の情報です。 ※投資は元本割れすることがあります。よく検討のうえ、自己責任で行なってください。 * * * 私も改めて家計を見直しました。何となく始めていたプチ投資も2025年は積極的にしようと決意!(編集: 鈴出) イラスト/髙栁浩太郎 文=徳永陽子