中村憲剛が語ったカナダ研修での驚き「フロンターレでもそこまではできなかった」
【リスペクトを込めて『憲剛はやばいね』】 ── それこそ、パシフィックFCの監督になるという選択肢もあるのでは? 中村「そうですね。将来的にはゼロじゃないなと思うくらい、本当にみんなウェルカムでしたし、スタッフ・選手みんなと仲良くなれましたから」 高尾「普通にクラブの一員になっていましたからね。アシスタントコーチの人が、ハーフタイムに意見があったら聞かせてくれって言ってくるくらい」 中村「普通はありえないでしょう」 高尾「それは本当にすごいなと思って。完全に入り込みましたね」 中村「だから、最後にお別れの挨拶をする時は、この時間のことを思い出してちょっと泣きそうになりました」 高尾「最後に憲剛さんが、選手、監督、クラブスタッフを集めて、ピッチの脇でちょっとしたスタンディングパーティーを開いたんですよね。あの時間も本当によかった。みんなとしっかり話せたし、いろんなつながりができたと思います」 田代「選手もいまだに言っていますよ。リスペクトを込めて『憲剛はやばいね』って。2週間半でそこまでがっつりと入り込んだのは、やっぱりすごいことですよ」 高尾「僕が日本とカナダをつなぎたくて移住した答えを、今回、憲剛さんにいただいた気がします。本当に感謝しかありません」 中村「みんなハッピーになれたので、本当によかったです。最高の海外研修でした」 <了> 【profile】中村憲剛(なかむら・けんご)1980年10月31日生まれ、東京都出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグ最優秀選手賞を受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。
原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei