暗号資産トレーダーがAIボットに勝つ可能性は?
ボットが分散型暗号資産(仮想通貨)取引所(DEX)での取引を支配するようになるにつれ、新しい価格予測プラットフォームによって人間のトレーダーが得意を発揮できるようになると、サンティメント(Santiment)の創業者、マクシム・バラシェビッチ(Maksim Balashevich)氏は語る。 ● 米国時間3月18日、DeFi(分散型金融)データサイトDefiLlamaが追跡したすべてのチェーン全体で、DEXでの取引は約95億ドル(約1兆3800億円、1ドル=146円換算)にのぼった。3月は確かに取引が活発な月だったが、18日の取引量は前日とほぼ同じだった。 しかし、データを別の角度から見ると、3月18日が際立つ。ユーザー@whale_hunterが追跡し、Dune Analyticsプラットフォームで公開されたデータによると、この日は過去6か月間で暗号資産ボットの取引量が最も多かった日だったのだ。 Dune のダッシュボードによると、3月18日にはBonkBot、Maestro、Banana Gunなどの名前のボットによって7億ドル(約1000億円)以上が取引された。それらは、イーサリアムからソラナまで多数のチェーンで活動しており、この日は総額で550万ドル(約8億円)の手数料が記録された。
金の成る木
同ダッシュボードをさらにスキャンすると、こうしたトレーディングボットは追跡が開始されて以来、総額で2億2000万ドル(約321億円)以上の手数料を稼いでいることが分かる。これらのボットはDEXにおいて生涯取引量330億ドル(約48兆円)超を占めている。デルフィ・デジタル(Delphi Digital)の調査レポートで表現されたように、これらは暗号資産業界の「新しい金の成る木」だ。 暗号資産の個人トレーダーとして、ボットに勝てる可能性はどれくらいだろうか。ボットは過去の情報に基づいて行動するのが得意だ(そして素早い)が、真のギガブレイン(非常に理解力の高い)トレーダーは、多くの場合アルゴリズムにはできない方法で次に何が起こるかを予測する。つまり、ゆっくり動いて優位に立つことができるのだ。 人間の専門知識と証明可能な評判に基づく、新しいタイプのプラットフォームが真に輝くのはその点においてだ。 しかし、まずは暗号資産取引ボットの限界を理解しなければならない。人間が「市場に勝つ」という最も過酷なゲームで、疲れを知らないロボットの軍団に勝つ望みはあるのか。その答えは、ボットと人間の推論方法にある。