【毎日書評】繊細な人はどうすれば疲れにくくなるか?その特性をうまく活かすヒント
一口にはいえない「繊細さ」の世界
冒頭でも触れたとおり、繊細といわれる方は一般的に「HSP(Highly Sensitive Person/ハイリー・センシティブ・パーソン=非常に繊細な人)」、または「エンパス(Empath=共感性の高い人)」と呼ばれています。 HSPを提唱したアメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士によれば、統計的には人口の約20パーセントがHSPの気質を持っているといわれているのだとか。男女比もほぼ均等で、性別や年齢などに関係なく、一定の割合でHSP気質を持ち合わせた人がいるのだといいます。 エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念からHSPの特徴を挙げると、 ・考え方が複雑で、深く考えてから行動する ・刺激に敏感で疲れやすい ・人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい ・あらゆる感覚が鋭い という4点になります。 (15ページより) なおHSPの人は外的要因に弱く内向的だと思われがちですが、HSPのなかでも外交的な人は全体の30%を占めているそう。仕事をがんばる人たち、パワフルで行動力のある人たちがHSPである可能性も決して少なくないわけです。(14ページより)
「エンパス」と「HSP」の違い
エンパスとは、「周囲の人の感情を鋭敏に感じ取る人」を指すもの。同義語であるエンパシー(Empathy)は、「共感」「他人の気持ち」「感情を理解すること」と訳されます。 では、同じ繊細な人でも、「エンパス」と「HSP」にはどのような違いがあるのでしょうか? 著者によればそれは、「観察する視点」。 HSPは、心理状況や外的要因がどんな影響を及ぼすのかという臨床心理の視点から研究されており、その分野は脳科学などのサイエンス的な考察がメインになっています。 一方、エンパスは、波長やエネルギーへの敏感さや共感性の特徴といったスピリチュアル(精神世界)の視点から観察する傾向があります。(16ページより) つまりHSPとエンパスの違いとは、事象に対する観察力の違いであり、意味合いに大きな違いがあるわけではないということです。ただし、エネルギー理論的な観点から繊細な人を観察していくと、興味深いことがわかってくるようです。 HSP的な人が外的要因に強く影響を受けていると捉えられる一方、エンパス的な人は、他者の感情や周囲の環境に敏感なだけではなく、よくも悪くもその場の空気や人から感じたエネルギーを自分のフィールドのなかに吸い込んでしまう気質があるというのです。(16ページより)