つい不満をため込んでしまう…心身にどんな影響? 心理カウンセラーに聞く「ストレスとの上手な向き合い方」
不満や言いたいことをなかなか人に言えず、自分の心の中にため込んでしまうことはありませんか。こうした我慢を続けると、心身にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。日常生活でつい我慢をしてストレスをためてしまいがちな場合、どうすればよいのでしょうか。ストレスとの上手な向き合い方について、心理カウンセラーの平井綾乃さんに教えていただきました。 【画像】試す価値あり! これが、秋の“メンタル不調”を改善する方法です(4つ)
うつになる可能性も
Q.不満があったり、嫌なことがあったりしても、なかなか周囲の人に伝えられず、ため込んでしまった場合、心身にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。 平井さん「不満や言いたいことが言えないという状況が長く続くと、どこへも発散できないことがストレスとなり、心身ともにバランスが崩れてしまいます。 例えば、身体面の代表的な不調としては、胃痛や下痢、便秘などの内臓の不調のほか、不眠や疲労感などがあります。また、精神面では、何でもないことにイライラしてしまったり、反対にやる気が起きずに意気消沈してしまったりと情緒不安定に陥ることもありますね」 Q.不満を我慢することが原因で精神的な不調に陥った場合、うつなどになるリスクはあるのでしょうか。 平井さん「不満をため込むという原因によるストレスで、抑うつ状態やうつに進展するというケースも考えられると思います。例えば、『責任感が強い』『完璧主義者』といった傾向がある人は、周囲に弱音や本音を吐けず、自分自身で解決しようとする傾向があります。 こうした人が物事を1人で解決してしまうとき、一時的なものであれば1人で解決できるかもしれませんが、これが長年続いてしまうと、知らず知らずのうちにストレスが蓄積してしまうのです。自分ではストレスと感じていなくても、体が先に悲鳴を上げてしまい、気付いたら抑うつ状態に陥っていたという状態も考えられますね」 Q.仕事や私生活などで感じる不満をため込まずに適切に対処するには、どうすればよいのでしょうか。 平井さん「同じストレスの要因であったとしても、それがどの程度のストレスと受け取るのかは人それぞれです。だからこそ、『この方法を試してください!』とは正直言えないんです。ですから、不満やストレスを爆発させないためにどのような発散をするのかは、少しずつ試行錯誤して見極めるしかありません。 ただ、不満やストレスは、生まれた場所に返すことが望ましいとされています。例えば、夫婦関係を巡り、お互いがストレスや不満を感じているのであれば、夫婦の話し合いで解決を図る、仕事の業務内容や評価に関して疑問がある場合は、まずは上司に掛け合ってみるといった具合です。そこまでやっても折り合いのつかない気持ちや不満がある場合は、解決方法などをカウンセラーなどの専門家に相談するとよいでしょう」 * * * 自分では問題ないと思っていても、不満やストレスは少しずつ蓄積してしまうものです。精神的な不調や身体的な不調が現れる前に何かおかしいなと思ったら、ストレスをうまく発散したり、専門家に相談したりできるとよいですね。
オトナンサー編集部