わさびが利くのは魚や肉だけじゃない!絶品「ペアリング」に美容効果も
医療・美容分野でも注目
「意外な効能」を教えてくれたのは、わさび懇話会の出席者の一人で、岐阜大学応用生物科学部准教授の山根京子さんです。 わさびの食文化について、「少なくとも鎌倉時代には、現代に通じるようなすりおろしたものを食べていたと考えられます。仏教の戒律が厳しく、人々は肉を避け米と魚メインの淡泊な食事をしていたので、そこにわさびの刺激や色をアクセントとして加えることで、食事を少しでも豊かなものにしようとしたと考えられます」と山根さん。 注目したいのは「心身を元気にする効果がある」という点。「香辛料を取ると、セロトニンと呼ばれる『幸せホルモン』が出ると言われていますが、わさびも同じです。わさびの刺激で幸せホルモンが分泌され、良い気分になり、繰り返し食べたくなる。そうした食習慣が、体や心が『整う』ことに通じているのでは」 このほか、〈1〉抗酸化・抗炎症〈2〉解毒〈3〉血流改善〈4〉がん細胞転移抑制――などの作用もあるとされています。 山根さんも、すりおろした根わさびを食べることを勧めます。「一気にすりおろして、チャックが付いた食品保存袋に入れてストックして、薬味として使ったり、マヨネーズやオリーブオイルなどと混ぜてストックし、サラダと合わせて食べるといいです」 わさびは今後、「美容業界で積極的に活用される」とも指摘。「わさびを扱う生産農家などの人は、手が荒れないことで有名です。今後、わさびが入ったハンドクリームなどのスキンケア製品が人気になるかもしれない。わさびの香りを空間に拡散させるアロマディフューザーなども、リラックス効果が高いことから注目を集め、製品が増えてくるかもしれません」と予測していました。 (読売新聞メディア局 長縄由実)