「ゴミが山積みの部屋には大量のゴキブリが…」 15年前に起きた大阪「資産家姉妹」孤独死事件 大地主のお嬢様が“預金残高ゼロ”に転落するまで
第1回【実家は資産家なのに「60代姉妹」が“謎の孤独死” 15年前の年初を騒がせた怪事件…父親も不審死で「身体中にタバコを押し付けた痕があった」】を読む 【写真】「火葬待ち」も新たな問題に…「2か月以上」の長期保存も可能な「遺体安置冷蔵庫」のスゴイ中身 超高齢化社会となった現在の日本は、独居する老人の数が増加の一途をたどっている。都市部でも独居の若者が増え、孤独死は誰にとっても他人事ではない。14年前の1月8日、大阪府豊中市で孤独死した60代姉妹も、そんな最期とは縁遠いと思われた資産家のお嬢様だった。蝶よ花よと育てられた2人に一体何が起こったのか。 (全2回の第2回:「週刊新潮」2011年1月20日号「父は『地主』『銀行重役』でも餓死した、憎み合う60代姉妹の大没落」を再編集しました。文中の年齢等は当時のものです) ***
邸宅が徐々にゴミ屋敷に
約10年前に、実家の敷地の一部を購入した住民がこう話す。 「邸宅の隣の土地を約6000万円で買ったのですが、その時、妹さんが、『相続税の延滞分の一部に充てるんや』と言うてましたわ。資産家だけあって、一体、どんな額の相続税なんやろうかと思いました。でも、売買契約に邸宅に伺うと、割れたガラス窓をガムテープで塞ぎ、畳は水分を含んでズブズブに膨れていた。2人の身なりもずいぶんと質素でしたね」 姉妹は近所付き合いをほとんどせず、邸宅は徐々にゴミ屋敷に変わり果てていった。屋根瓦は崩れ、庭には草が茫々に生い茂り、ゴミが散乱。何匹もの野良猫が住み着くようになり、夏場などは悪臭が漂う有り様だった。 さらに、別の近所の住民によれば、 「姉妹は所有するアパートの1棟を15年ほど前に売却しましたが、残る1棟は老朽化が進み、廃墟のようだった。入居者がおらず、中学生が放火騒ぎを起こしたり、ホームレスが入り込んだりして、苦情が出ていた。家賃収入で生活を立て直そうとしたんでしょうね。10年前に、アパートを取り壊すと、彼女たちが最期を迎えることになる5階建てのマンションを建てたんですよ」