「厳しく言えば…勘違いしちゃいけない」久保建英と堂安律は“試合後コメント”でもシンクロしていた…TV中継には映らなかったシリア戦のウラ側
久保が語っていた「感覚が合ってやりやすい」
今月4日に23歳になった久保と、16日に26歳の誕生日を迎える堂安は、韓国で開催された17年U-20W杯(内山篤監督)や21年東京五輪(森保一監督)といった年代別代表でもともにプレーしてきた。A代表には堂安は2018年9月から、久保は2019年6月から招集。東京五輪を含めて森保戦術でともに過ごした期間は長く、久保は「左利き同士なので感覚が合ってやりやすい」と話していたものだ。 ただ、2人は4バックのトップ下と右サイドハーフの位置関係で同時先発したことはあるものの、森保ジャパンのファーストチョイスにはなってこなかった。 ともにテクニシャン型のレフティーである2人が同時に先発したのは、今年1、2月にカタールで開催されたアジアカップの3試合を含めても6試合のみ。高いポテンシャルを持つ2人だが、その“共存”となると、守備強度の観点やスピード型の伊東純也の機能性を踏まえ、4バックをベースとする森保戦術においては常にハードルがあった。今回の3バックはあくまでオプションのひとつという前提があるものの、レフティーコンビの共存という面では最適解となっていく可能性を大いにアピールしたと言える。
ミックスゾーンで取材記者が見た“堂安の充実感”
今回の試合会場は、収容人員約2万8000人のエディオンピースウイング広島スタジアム。20年ぶりとなる広島での代表戦開催で活気に溢れた新スタジアムの雰囲気は、試合後のミックスゾーンでも継続していた。 堂安は取材エリアで充実感をにじませ、時折笑みも浮かべながら質問に答えていた。右シャドーで先発したミャンマー戦、右ウイングバックで先発したシリア戦で連続ゴールを決めたうえに、ブンデスリーガで自己最高の7得点を挙げたということも朗々とした口調につながったのだろう。 大会前に用意していた4バックを途中で封印して守備的な3バックを敷き、ドイツとスペインを破って世界を驚かせながらもベスト16で姿を消すことになった22年カタールW杯。堂安は敗れたクロアチア戦後の夜を、ベスト8の壁を破るための方法を仲間と議論しながら過ごし、一夜明けてからの取材対応では26年北中米W杯に向けて「粘り強い守備をベースとして持ちながら、強豪国を相手にワールドカップという舞台で90分間しっかりボールを保持して勝つという理想を追いかけたい」と、決意を込めて言った。 それから1年半。日本はW杯アジア最終予選前の最後の試合で「攻撃的な3バック」という新境地に足を踏み入れた。ベースにあるのは堂安も久保も、カタールW杯後の1年半で守備強度を上げてきたという自信だ。 シリア戦の前半はダブルボランチの一角、後半はアンカーでプレーしたキャプテンのMF遠藤航(リバプール)は「あの2人(久保と堂安)はお互いが意識している関係性。(後半に)4-1-4-1でも使っていましたが、2人の良さを生かすという意味では3バックという新たなオプションを持てた。律がウイングバックをやってより攻撃的になって彼の良さも出ていたし、タケもうまく関わりながらやっている。そこのオプションが増えたのは良いと思う」とポジティブに受け止めた。2人への信頼感は非常に高い様子だ。
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