卵の殻を再利用して「たまごっち」 バンダイ、環境配慮しプラスチック使用量を削減へ 月刊Biz・スイッチ
「本物の卵で『たまごっち』を作れたら面白いんじゃない」。「たまごっち」は液晶画面上でペットを育てるバンダイの携帯型ゲーム。平成8年に発売し、全世界でシリーズ累計9400万個以上を出荷(今年3月時点)するヒット商品だ。 そのたまごっちを廃棄される卵の殻を再利用した素材で作るというサステナブル(持続可能)な発想は、社内のアイデア会議から生まれた。開発に携わったトイ事業部の勝野茉里香さんは「たまごっちは海外にも展開していて、少しでも環境に配慮した商品を作りたいと思い、開発を進めてきた」と話す。 バンダイでは梱包(こんぽう)材を発泡スチロールから古紙を再生した素材に置き換えるなどしてきたが、こうしたサステナブルな取り組みを平成15年から「環境プロジェクト」として推進。昨年にはバンダイナムコグループのバンダイスピリッツとともに、社員が当事者意識を持って二酸化炭素(CO2)削減に向けた行動を実行するための「未来・クリエイション宣言」をした。 こうした取り組みの一つとして、カプセルトイのカプセルに炭酸カルシウムを使用し、従来品に比べてプラスチック量をおよそ半減させたエコ素材カプセル「グリーンカプセル」を開発。玩具を回収し、リサイクルしたプラスチック素材を配合したスタンプもイベントで配布している。 プロダクトマネジメント部サステナブル製品推進チームの福島成暢さんは「今後は再生化のノウハウをグループ全体に共有することで、より多くのお客さまにサステナビリティーが伝わるような商品を届けたい」と説明する。 卵の殻という廃棄物だけでなく、プラスチック使用量も減らせる「卵でできたたまごっち」は、来年2月発売の予定だ。(小島優)