病休・産育休で代替教員が必要なケース52件、うち32件で配置なし…高知県内の公立小中学校など
高知県内の公立小中学校などで今年度の1学期から2学期始めにかけて、病休や産育休などによる代替教員が配置されなかったケースが、少なくとも32件に上ることが県教職員組合の調査でわかった。3月に同組合が実施した2023年度の31件を上回っており、「他県にない県独自の対策を早急に打ち出す必要がある」と指摘している。 教職員の過重労働などが深刻化する中、県内の実態を探るため、県内34市町村と日高村佐川町学校組合の各教育委員会にアンケートを実施。10月25日までに、31教委から回答があった。
代替教員が必要になったケースは52件あり、このうち「未配置」が10件、「1か月以上未着任」が22件。県教委の調査では、23年度の1か月以上の代替未着任は115件となっており、県教組は「未着任が年度当初からこれだけあると、1年を通せばかなりの数になる」と推測する。 未配置・未着任の対応として分析できる15件のうち、教頭が担任を兼務したのが最多で9件、校内の他の教員が代行したのが3件、他校の教員の兼務などが3件で、教頭ら教員に過重な負担が強いられている現状がうかがえた。
代替教員の確保について工夫していることを尋ねると、「OBに依頼しているが、承諾していただけないケースが多く、大変苦慮している」などと困惑の声が挙がる一方で、「あったら教えていただきたい」と訴える回答もあった。 県教組は、結果を県教委に報告。さらに、60歳以上の待遇改善を進める▽臨時教員の確保策として自宅待機でも最低賃金程度の給与を保障する▽採用試験の特別選考(面接・論文のみ)の実施――など、県独自の対策を導入するよう提言した。